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033:データに見る日本人の減塩事情 監修:医学博士 長野美根
 日本で塩分過多が問題になったのは戦後のこと。食塩摂取量が多いほど高血圧になりやすく、脳卒中になる人が多いという研究が発表されたためです。『日本人の食事摂取基準』では、成人男性で1日10g未満、成人女性で1日8g未満を目標量としています。ところが、平成17年度の『国民健康・栄養調査』によると、目標量より多く摂取している人の割合は、男性で64.5%、女性では71.8%にもなり、食塩の取り過ぎはいまだに大きな課題です。一方同じ調査のアンケートで「食習慣について改善したいこと」の第3位に、「食塩の多い料理を控える」がランクインしています。つまり、意識はあっても実現は難しいというのが現状のようです。
食習慣の変化で食塩摂取量は減少傾向に
 従来の日本型食生活では、食塩摂取量は1日20gほどといわれていました。昭和40年以降は徐々に減少傾向になり、最近では1日12g前後にまで減っています。これには、日本人の食習慣が変わって肉や油脂の摂取量が増え、食塩やしょうゆ以外での味つけが増えたこと、また、食品を保存する技術が発達し、塩蔵品などの加工品から摂る食塩が減ったことなどが大きく関係しています。
 ところが、日本高血圧学会のガイドラインで高血圧予防のために望ましいとしている食塩摂取量は1日6g以下。WHO(世界保健機構)の基準も1日6g以下です。『日本人の食事摂取基準』の「成人男性10g未満、成人女性8g未満」という目標量は世界的にみれば高く、日本人の食習慣を考慮した当面の目標としての数字だといえます。つまり、まだまだ減塩の努力は必要なのです。日本人は塩分の半分以上をしょうゆ、みそ、食塩などの調味料から摂取しているので、減塩にはこれらの調味料づかいに気をつけることが基本です。
食塩摂取量の推移
(出典:厚生労働省「平成17年国民健康・栄養調査結果の概要」)
食塩摂取量は「東高西低」型
 食塩摂取量を地域別にみると、近畿地方や九州地方などの西日本は、北海道や東北などの東日本に比べて少ないのが特徴で、「東高西低」の傾向があります。ところが、最近では全国の摂取量が減少傾向にあるなか、もともと少なかった近畿地方などの摂取量が、少しずつ全国平均に近づいている傾向もみられます。これは、加工食品が全国規模で普及しているために、味覚の均一化が進んでいるからだとも考えられます。
 また、年齢別・男女別のグラフをみると、50〜59歳、60〜69歳の摂取量が多く、なかでも男性の数字が高いのが特徴です。この層にあたる中高年男性は、まさに高血圧や脳卒中、心筋梗塞などが多い要注意世代。とくに食塩の摂りすぎには注意してください。
地域ブロック別食塩摂取量
※地域ブロック北海道(北海道)、東北(青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県)、関東T(埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県)、関東U(茨城県・栃木県・群馬県・山梨県・長野県)、北陸(新潟県・富山県・石川県・福井県)、東海(岐阜県・愛知県・三重県・静岡県)、近畿T(京都府・大阪府・兵庫県)、近畿U(奈良県・和歌山県・滋賀県)、中国(鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県)、四国(徳島県・香川県・愛媛県・高知県)、北九州(福岡県・佐賀県・長崎県・大分県)、南九州(熊本県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県)
(出典:厚生労働省「平成16年国民健康・栄養調査」)
年齢別食塩摂取量の平均値
(出典:厚生労働省「平成17年国民健康・栄養調査結果の概要」)