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時は1898(明治31)年、医師であった石塚左玄は『通俗食物養生法』という本のなかで「今日、学童を持つ人は、体育も智育も才育もすべて食育にあると認識すべき」と述べています。また、1903(明治36)年、報知新聞編集長であった村井弦斎は、小説『食道楽』のなかで「小児には徳育よりも、智育よりも、体育よりも、食育が先き。体育、徳育の根元も食育にある」とすでに書いています。それから1世紀余りもの年月を経た今、なぜ食育が大きく取り上げられるようになったのでしょうか。
戦後日本人の食をめぐる環境は大きく変化しました。最も大きな特徴は、食生活の欧米化で肉類や乳製品の摂取が増え、野菜や果物の消費量が減ったことでしょう。こうした食生活の変化は、日本人の健康にも大きな影響を及ぼしています。脂質の摂りすぎや食物繊維不足が進み、その結果動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病の増加につながったと考えられています。
また、基本的な食生活の乱れも指摘されるようになりました。とくに、欠食や栄養の偏った食事、極端なダイエットや肥満の増加などは、健康に悪影響を与えるとして大きな問題になっています。 |
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このように、食と健康の関係が問題視されるなかで、注目されているのが食育です。毎日を健康に過ごすには、食に関する正しい知識が欠かせません。しかし現在は、調理済みの惣菜を買って食べる中食やインスタント食品の普及、核家族化などにより、料理や食の知識が自然に次世代に伝わる機会が少なくなっています。これは食事のマナーや、伝統的な食文化についても同様です。
食育とは、このような状況のなかで、正しい食の知識を広め、健康的な食生活を実現しようというものです。現在各年齢層を対象にさまざな試みがなされていますが、とくに子どもの食育の大切さが叫ばれています。食育の重要なテーマである味覚や食習慣などは、幼いころからの体験で培われるからです。
このような食育への期待が高まるなかで、2005年7月には「食育基本法」が施行されました。このなかでは、食育における保護者、教育関係者の役割や、食への感謝の念を持つことの重要性をはじめ、伝統的な食文化の継承、食品の安全性まで、多様なテーマについての基本方針が示されています(下記「食育基本法の概要」参照)。
食育のテーマはたいへん幅広く、難しく考えられがちですが、基本は日常の食卓にあります。子どもたちといっしょに、旬の食材や行事食について話をするだけでも、食卓が豊かな食育の場になります。食育をキーワードに、食の大切さ、楽しさを改めて見直してみませんか。 |
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身につけておきたい食事のマナーや、伝統食や旬の食材のレシピなど、
おいしくて楽しい食育のヒントを紹介する実践編です! |
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