干ししいたけと太陽のGOODな関係 第41
指導:医学博士 長野美根
     しいたけは日本でも古くから食用とされ、現在でも生産量の多いきのこです。これを干して乾燥させた干ししいたけは、日持ちしないしいたけを長期間保存できるようにするだけでなく、干すことでより風味が増す食材として日本の食生活になくてはならない存在です。しかし、それだけではなく、干すと栄養価も高まることが科学的にもわかってきました。
    干せばうま味がぐんとアップ
     ちらし寿司やお煮しめなど、おふくろの味に欠かせない干ししいたけは、うま味をとるだしとしても使われます。実はこのうま味成分も干すことで増えているのです。しいたけを干すと菌糸の細胞膜に傷がつくので、グアニル酸といううま味成分が組織の内部から出やすくなり、よりおいしくなるというわけです。

 グアニル酸は加熱すると増えるので、煮物や炒めものなどにするとよりおいしく食べられます。また、干ししいたけを戻した水には、このグアニル酸やその他のアミノ酸などのうま味成分がたっぷり含まれているので、捨てずに煮物のだし汁などに使いましょう。
   
    日光でビタミンD含有量がアップ
     しいたけにはエルゴステリンという成分が豊富ですが、これは日光にあたるとビタミンDに変化します。ビタミンDはカルシウムの吸収をよくして、骨を丈夫にするのに欠かせないビタミンです。つまり、しいたけを干すことによって、ビタミンDを増やし、不足しがちなカルシウムの摂取量を増やすことができるのです。

 ただし、最近の干ししいたけは、天日ではなく、電気やガスで乾燥させているため、ビタミンDの量が少なくなっているといわれています。干ししいたけのビタミンDを増やすには、使う前にしばらく日光にあてて、エルゴステリンをビタミンDに変化させるとよいでしょう。
   
    注目のβ-グルカンが、免疫機能を高める効果あり
     干ししいたけに含まれる成分で、とくに注目されているのがβ-グルカンsという食物繊維です。β-グルカンには、ウィルスや一部のがんに対抗する免疫機能を高める働きがあることが、最近の研究で明らかになりつつあります。

 体内にウィルスが侵入したり、がんが発生すると、体に備わっている免疫機能がそれらを撃退しようとします。β-グルカンは、ウィルスやがんに直接働くのではなく、免疫機能を活性化することで、抗ウィルスや抗がん作用を高めるのです。

 β-グルカンはきのこ特有の成分で、いくつかの種類がありますが、しいたけに含まれているものはレンチナンと呼ばれています。しいたけから抽出されたレンチナンは、実際に抗ウィルス剤や抗がん剤などに実用化されています 。