■ ナタデココの秘密
指導:医学博士  長野美根
 コリコリとした歯ごたえで一躍人気ものになったナタデココ。でも、何からどうやって作られるのか、どんな成分が含まれているのかは、まだまだ知られていないようです。今回はそんなナタデココの秘密に迫ります。
ナタデココの原料はココナッツの実

 ナタデココのふるさとはフィリピンです。約100年ほど前にはすでに作られていたといわれています。フィリピンにはハロハロと呼ばれる日本の蜜豆のようなデザートがありますが、ナタデココはそのハロハロによく使われ、ちょうど蜜豆に寒天を加えるような感覚で食べられています。
 そんなフィリピンのデザートが、日本で知られるようになったのは1992年の夏ごろでした。最初はデザート好きの若い女性の間で話題になっていたのが、マスコミで取り上げられて一大ブームになったのです。
 それでは、ナタデココはどのように作られるのでしょうか。ナタデココの主な原料はココナッツの実です。ココナッツのかたい皮の中には、とろりとした果肉部分と液状のココナッツ水があります。それに水や砂糖を加えたあと、酢酸菌の一種であるアセトバクター・キシリナムという菌を加えて発酵させるのです。すると、表面に徐々に膜ができてきます。その膜が15mmほどの厚さになったときに取り出したものがナタデココです。
 日本で一般に出回っているのは、この膜を食べやすく切り、酸を抜いてシロップ漬けにしたものです。ナタデココとはスペイン語で、「ナタ」は「液状に浮く上皮」、「デ」は英語のofにあたり、「ココ」はココナッツの意味です。まさにその名の通り「ココナッツに浮く上皮」なのです。

菌が作る食物繊維がコレステロールを下げる
 

 このように、ナタデココの製造にはアセトバクター・キシリナムという酢酸菌の働きが欠かせませんが、ナタデココの主成分は、このアセトバクター・キシリナムが作り出す「微生物セルロース」と呼ばれる食物繊維です。
 この微生物セルロースは、野菜や果物に含まれる植物セルロースに比べて、きめの細かい網目構造になっているのが特徴です。ナタデココのブームもあって微生物セルロースの研究も多方面から行われてきましたが、研究の結果微生物セルロースは、植物セルロースにはない働きを持っていることがわかってきました。
微生物のパワーが秘められているナタデココはデザート好きだけじゃなく、健康が気になる人にとっても目が離せない商品なのです。