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歴史と雑学

正しい知識でこれからの毎日を楽しく #:225 2016.10.04更新 <監修: 医学博士 長野美根>

「さしすせそ」ってなあに?

料理は素材のよしあしも大切ですが、最終的に味つけの決め手となるのが調味料の使い方です。昔からよく耳にするのが「さしすせそ」。これは調味料を使う基本の順番といわれています。「さ」は砂糖、「し」は塩、「す」は酢、「せ」はしょうゆ、「そ」はみそをさします。なぜこの順番がおいしくなるのか、その訳とそれぞれの調味料の特徴を知って、使うタイミングを身につけましょう。

さ(砂糖)

砂糖は塩やしょうゆなど塩分のあるものより、素材にしみ込む速度が遅いので、味つけの最初に入れるのが基本です。塩分を先に加えると素材の水分を引き出し、組織が締まるので味がしみ込みにくくなります。まずは砂糖を入れて甘みを浸透させておきましょう。 砂糖は甘みをつける他に、タンパク質をやわらかく固めたり、生臭みを押さえたり、照りやつやを出す役割もします。種類も上白糖、三温糖、黒砂糖、グラニュー糖などがあるので、風味によって使い分けをしましょう。

し(塩)

塩は味つけの基本となる調味料です。「塩梅~あんばい」ということばのとおり、塩加減のよしあしで料理の味が決まるといわれています。入れ過ぎを防ぐためには足しながら塩加減をしましょう。 塩は塩味をつける他に、素材の水分を引き出す、肉や魚などの身を引き締める、食品の保存性を高めるなどの役割もします。塩にはさらさらでストレートな辛さの精製塩と、ミネラルを多く含むマイルドな辛さの天然塩があります。特徴を生かして使い分けます。

す(酢)

酢は先に加えると酸味が飛んでしまうので、酢豚など酢の風味を生かしたいときはなるべく後で加え、長時間加熱するときは多めに入れます。
 酢の酸味は食欲を増進させるほか、塩辛さや油っぽさをやわらげたり、生臭さを消す働きをします。また殺菌や漂白などの作用もあり、食品の保存にも役立ちます。くせのない穀物酢、こくのある米酢、香りのよい果実酢、マリネなどにむくマイルドなワインビネガーなどの種類があります。

せ(醤油)

醤油は、うま味、香り、色、風味をつける万能調味料です。甘辛味の煮物などで砂糖と一緒に使う場合は、素材にしみ込みやすいので量を控えめにします。また冷めると味が濃く感じられるので味見のときは少しもの足りないくらいでも大丈夫です。
 醤油には料理全般に使う「濃口」と、素材の色を生かす「薄口」があります。薄口は色は薄くても濃口より塩分が高いので、同じ量を使うと塩辛くなるので注意しましょう。

そ(味噌)

そ(味噌)

味噌は香ばしい風味が命。煮立てると香りが飛んでしまうので仕上げに入れましょう。煮汁などを取り出して、ゆるめてから加えると早く全体に混ざります。味噌煮などは弱火でじっくりと煮て、焦がさないようにしましょう。
 味噌は種類が多く、信州味噌などの「米味噌」、八丁味噌などの「豆味噌」、田舎味噌とも呼ばれる「麦味噌」など、地方色も豊かです。2~3種類をブレンドして使うと味に深みが出ます。

この「さしすせそ」の他にも常備しておきたい調味料に、酒とみりんがあります。これらは料理をまろやかに仕上げます。先に入れて加熱すれば、アルコール分が蒸発します。そのまま使う場合は、別鍋で火にかけて煮立て、アルコール分を飛ばすとよいでしょう。毎日の調理に、調味料の基本の順番を守って、おいしい料理作りをめざしてください。


●資料
『料理のなんでも小事典』日本調理師学会編(講談社刊)
『おいしい料理には科学がある大事典』(宝島社編集)