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正しい知識でこれからの毎日を楽しく #:228 2016.11.29更新 <監修: 医学博士 長野美根>

上手に「ゆでもの」をしてますか?

「ゆでる」とは、熱湯で材料を加熱することです。「煮る」調理とどう違うかというと、ゆでる場合は主に料理の下ごしらえとして行われることが多く、味付けのための調味料などは使われません。ゆでることで素材のくせやアクが抜けて食べやすくなったり、味がしみ込みやすくなります。
 一般にほうれん草やブロッコリーなど、土の上で生育するものは熱湯から入れてゆでます。芋類やれんこん、ごぼうなど、土の下にある根菜は水から入れてゆでます。いずれもたっぷりの湯でゆでたほうがアクやえぐみがよく抜けます。火が通ったら冷水にとる場合とザルにとる場合があります。アクの強いものや、ゆで過ぎが心配なものは冷水にとり、ブロッコリーのようにアクが少なく、水を含みやすいものはザルにあげて冷まします。

青菜を色よくゆでるコツは

青菜を色よくゆでるコツは

ほうれん草や絹さやなどのきれいな緑色を生かしたい野菜は、必要以上に長く加熱したり、調味料で長く煮ると色あせします。それを防ぐために、あらかじめ色よく下ゆでをしておいて、調理の最後に加えるようにすると美しく仕上がります。野菜の緑色のもとはクロロフィルという色素です。このクロロフィルは加熱に弱く、さらに酢やしょうゆ、味噌などの酸性溶液の中で煮ると変色してしまうからです。
 青菜を色よくゆでるには、重量の5倍から10倍のたっぷりの湯をわかし、湯の1~2%程度の塩を加えます。沸騰したなかに青菜を入れ、短い時間でゆでたら冷水にとるなどして早く冷まします。湯の量が少ないと、青菜を入れたときに湯の温度が下がってしまい、手早くゆでられません。塩を加えるとナトリウムがクロロフィル中のマグネシウムと置き変わり、変色を抑える効果が期待できます。また冷水にとるのは、余熱がまわって色があせるのを防ぐためと、アクを洗い流すためです。ただし長く水にさらすと、ビタミンCが溶け出してしまうので避けましょう。ブロッコリーなどのように水にとらないものは、ざるに上げたらうちわなどであおいで早く冷ますと色あせを防げます。

ゆで汁にプラスαで上手にゆで上げる

ゆで汁にプラスαで上手にゆで上げる

土の下で育つ根野菜は、青菜類とは逆に水からゆでます。繊維が多くてかたい根野菜は、ゆっくりと時間をかけて水からゆでたほうがやわらかく仕上がり、調味料もしみ込みやすくなるからです。また、にんじんやかぼちゃに含まれるオレンジ色の色素カロテノイドは、熱に強いので加熱しても色あせません。それぞれの素材に合わせてゆで汁にプラスαするコツを覚えておくと、料理の出来ばえにグンと差がつきます。

●ゆで汁に塩をプラスすると
 青菜をはじめ、絹さや、アスパラガス、枝豆などは、緑の色が鮮やかにゆで上がり、塩味もつきます。
●ゆで汁に酢をプラスすると
 れんこんやごぼうなど、アクの強い根菜のアクを抜き、色を白く仕上げます。
●ゆで汁に油をプラスすると
 チンゲン菜などの中国野菜は、油を少量加えてゆでると、ゆで汁の温度が上がり、つやよくゆで上がります。
●ゆで汁に米ぬかをプラスすると
 たけのこやゴボウなどのアクやえぐみを取ったり、余分な脂分を浮かせて寄せ、取り除きやすくします。




参考資料 『クッキング基本大百科』(集英社刊)
     『料理のなんでも小事典』日本調理科学学会編(講談社)