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からだによいこと、つづけて元気に #:157 2017.03.03更新 <監修: 医学博士 長野美根>

気になる「新型栄養失調」とは?

飽食と言われるこの時代。どうやって摂取カロリーを減らすかが現代人の課題のように思われています。ところが近年では3食を食べていても栄養失調になる人が増えているそうです。カロリーは足りていても、必要な栄養素である「タンパク質、ビタミン・ミネラル」などが不足している状態、それが原因で体に不調をきたしている人たち。これが新型栄養失調と呼ばれているものです。

どんな人が「新型栄養失調」になるの?

どんな人が「新型栄養失調」になるの?

栄養不足といえば、まず思い浮かぶのが過激なダイエットに走る若い女性や一人暮らしの男性ですね。でも実情はもっといろいろな世代にこの「新型栄養失調」が起こっているようです。見逃せないのは働き盛りの中高年男性です。ランチは単品のカレーや丼物、忙しさのあまりおにぎりやパンなどの炭水化物中心にすませたり、夜も外食続きでは、どうしても野菜不足になりがちです。これではビタミンやミネラル、食物繊維が不足します。これらが不足すると、免疫力が低下して風邪をひきやすくなったり、体調がすぐれないうえ、摂取したエネルギーも効率よく消費出来ません。
つぎに心配されているのは高齢者です。もともと日本人の基本の食事はご飯に味噌汁、煮物に漬物です。粗食は健康に良いからと肉や脂を極端に控え、こうした食事ばかりを続けているとタンパク質が不足します。タンパク質は筋肉や血管、臓器や免疫細胞などの材料になる栄養素。コレステロール値を気にするあまり、肉や卵などの動物食品を極端に減らしたり、食欲がないからとめん類ばかりを食べるなど、偏った食生活をしていてはいけません。タンパク質は加齢で体が衰えるほど重要になる栄養素といえます。

これらの「新型栄養失調」の原因は、食事制限でダイエットしている若い女性たちにも多く当てはまります。カロリーを抑えようと野菜ばかりに偏って極端に肉を避けていると、タンパク質不足に陥ります。体重は減っても栄養不足で不健康になってしまったのでは意味がありません。カロリーコントロールも、必要な栄養は摂取してバランスのよい食事を心がけましょう。

食習慣を見直して栄養素不足を解消しましょう

ビタミン、ミネラル、食物繊維不足を解消するためには1日の目標摂取量である野菜350g以上、果物200g以上を目標にしましょう。そのためにも1日3食をきちんと食べることが大切です。外食の多い働き盛りのお父さんには、家で食べる朝食にバナナやパイナップルなどの果物を欠かさないようにしたいもの。ランチメニューも丼物などの一品料理より定食を選んでください。
 高齢者は肉類、魚介類、乳製品もバランスよく摂りましょう。豆腐や納豆などの大豆製品で植物性タンパク質を摂ることもたいせつです。動物性、植物性と同じ性質のタンパク質だけに偏らないようにバランスよく食べると、効率よく吸収されます。タンパク質不足は「寿命」に直結するともいわれています。老化を遅らせるためには、筋肉や骨の材料となるタンパク質をたえず補給していくことです。高齢者も若い人(18歳以上)もタンパク質の必要摂取量は同じです。
 ダイエット女子もタンパク質を上手に摂りたいもの。野菜だけのサラダではなく、高タンパク低エネルギーな食材をチョイスしてトッピングをしてはいかがですか?たとえば鶏のささみ肉や牛豚の赤身肉、魚介類ならイカ、タコ、ホタテ、白身魚など。ボリュームたっぷりのごちそうサラダは、栄養バランスも抜群です。おいしく食べながら体によいダイエットになります。


参考
厚生労働省・国民栄養調査ホームページ