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歴史と雑学

果物と野菜に関するなるほどがいっぱい #:109 2010.12.07更新 <監修: 医学博士 長野美根>

体を温めるしょうがパワー

手足が冷える、寒くて眠れないなど、つらい症状に悩まされる冷え性。最近では、体の冷えが免疫機能の低下など体にさまざまな悪影響を与えることもわかってきており、たかが冷え性と油断はできません。そんな冷えの悩みを改善する強い味方として注目されているのが、しょうがです。もともと漢方の世界では体を温める食材として知られていましたが、しょうがの研究が進んでいる現在、そのはたらきも科学的に解明されつつあります。しょうがの健康パワーの秘密にせまってみましょう。

薬効成分は「ジンゲロール」と「ショウガオール」

体を温めてくれるしょうがのお役立ち成分は、ジンゲロールやショウガオールなどの辛味成分です。ジンゲロールには血行をよくする作用があり、温かい血液を手足などの末端まで行き渡らせることによって冷えた手足を温めます。
 一方ショウガオールは、胃腸を刺激して、胃腸の動きを活発にする働きがあります。その運動によって熱が作られ、内部から体を温めるのです。このショウガオールは、ジンゲロールから生成される成分で、しょうがを乾燥させるとさらに増えます。つまり、生のしょうがの場合はジンゲロールの働きで手足が温まり、乾燥しょうがの場合は、ジンゲロールの働きに加えて、ショウガオールが増えたおかげで体を内部から温める働きが強いのです。

「生」と「乾燥」の使い分けは中国4000年の知恵

中国では、「生」と「乾燥」のしょうがの薬効の違いは古くから知られていました。中国の古い文献では、生のしょうがを「生姜(しょうきょう)」、乾燥しょうがを「乾姜(かんきょう)」と呼んで、症状に合わせて使い分けています。生のしょうがの場合は、手足など体の末端を温めると同時に、発汗をうながすので、解熱の作用があるされています。一方乾燥しょうがは、冷えからくる腹痛や下痢などの改善によいとされています。このように、4000年以上も前から伝えられてきた漢方の知恵は、科学的にも理にかなったものだったのです。

しょうがパワーで「低体温」を改善!

しょうがパワーで「低体温」を改善!

最近では、単に手足が冷えるだけでなく、体温が常に低い「低体温」も問題になっています。体温が1~2℃低いだけでも、免疫細胞の働きが衰え、免疫力が落ちてしまうからです。免疫機能が低下すると、カゼはもちろん、さまざまな病気にかかりやすくなってしまいます。日本人の平熱は平均して37度ほどなので、日頃から35℃台の人は充分に低体温だといえます。
 そんな低体温の改善には、しょうがが役立ちます。とくに乾燥したしょうがは体を内部から温めるので、低体温対策にはおすすめです。生のしょうがを乾燥させるには、皮ごと薄くスライスして自然乾燥でカラカラになるまで干せばOK。紅茶に入れてジンジャーティーにしたり、炒めものやスープなど、料理にもたっぷり使って芯から体を温めてください。