\食育と栄養学/

食育と栄養学

正しい知識でこれからの毎日を楽しく #:123 2011.07.05更新 <監修: 医学博士 長野美根>

生の野菜と果物のナチュラルパワー

美肌もアンチエイジングも、ベースにあるのは健康。そして、その健康を支えているのが食生活です。美と健康によい食事法として最近話題になっているのが「ローフード」、つまり、素材を生(raw)のまま食べようという動きで、国内外の女優やモデル、著名人など、セレブたちが実践していることで注目されています。その食スタイルの一つは、加熱しないで食べられる野菜や果物を積極的に食べること。加工度の高い食品が多い現代だからこそ、生の栄養をそのまま食べる大切さが見直されているようです。こうした生の食品にはどんなパワーがあるのでしょうか。

生の野菜や果物が持つ酵素パワーとビタミンパワー

野菜や果物にはタンパク質分解酵素やでんぷん分解酵素などの酵素を多く含むものがあります。これらの酵素には、肉のタンパク質を分解してやわらかくしたり、ご飯などのでんぷん質の消化をよくする作用があります。ところが、この作用は加熱すると失われてしまいます。つまり、酵素パワーは生だからこそ発揮できるのです。
 例えば、パイナップルにはプロメリンというタンパク質分解酵素が含まれていますが、その働きを生かすには、肉を焼く前に、生肉に生のパイナップルをカットして混ぜたり、果汁を加えてしばらくおくなど、加熱しない状態で使いましょう。この他、タンパク質分解酵素はキウイフルーツやパパイヤ、しょうがなどに、でんぷん分解酵素は山いもや大根などに豊富ですが、いずれも酵素パワーを生かすなら生で利用しましょう。
 また、加熱調理には、消化をよくしたり、栄養の吸収をよくするなどのメリットがある一方、加熱によって効果が失われる成分もあり、デメリットもあります。例えば、熱に弱い栄養素の代表がビタミンCです。ビタミンCは、コラーゲンの生成に欠かせないビタミンで、美肌や美白に効果があるほか、免疫力強化作用や老化を防ぐ抗酸化作用もあり、まさに美と健康のビタミンです。野菜や果物に多く含まれていますが、加熱した料理や加工食品ではほとんど失われています。ですから、ビタミンCをしっかり摂るためには、野菜や果物を意識して生で食べることが大切なのです。

フレッシュサラダでビタミンCをむだなく摂る!

生野菜や果物をたっぷり摂れる料理といえば、やはりサラダです。素材を洗ってカットするだけなので調理も簡単。加熱しないので、電気もガスも使わず、省エネメニューでもあります。ローカロリーなのはもちろん、生野菜のシャキシャキとしたかみごたえが満腹感をもたらすので、ダイエット効果も期待できます。
 ふだん加熱しがちな野菜も、切り方しだいで生食できるものもあるので活用しましょう。例えば、パプリカは薄切りにすれば生でもおいしく食べられますし、グリーンに偏りがちなフレッシュサラダの彩りにもなります。山いもはもちろん、カリフラワーも歯ざわりを楽しめます。うれしいのは、これらの野菜はいずれもビタミンCが豊富であること。フレッシュな野菜や果物をたっぷり盛り合わせた一皿で、美と健康を手に入れてください。

生ジュースにもナチュラルパワーがいっぱい!

生ジュースにもナチュラルパワーがいっぱい!

また、手軽にフレッシュな野菜や果物の栄養をとれるのが生ジュースです。市販のジュースは加工の段階で栄養が失われがちですが、生ジュースなら大丈夫。ブロッコリーやほうれん草など通常はゆでて食べる野菜も、ジュースにしてしまえば、生の栄養をそのまま摂れます。野菜の生ジュースは苦手だという人も、果物を組み合わせれば甘味が加わってぐんとおいしくなります。おすすめなのは、朝の習慣にしてしまうこと。1日のスタートに素材のナチュラルパワーをたっぷり摂ってください。朝起きたら、好みの野菜や果物をささっとミキサーへ!ビタミンCは酸化にも弱いので、作りたてをすぐに飲むのも、栄養を逃さないコツです。