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歴史と雑学

果物と野菜に関するなるほどがいっぱい #:147 2012.07.03更新 <監修: 医学博士 長野美根>

メープルシロップ入門

子どもの頃に夢中で読んだモンゴメリの『赤毛のアン』や、ワイルダーの『大草原の小さな家』。食卓に登場する手作りのごちそうの描写にはもうワクワクしたものです。素朴なコーンブレッドや焼き菓子には、このメープルシロップが添 えられていました。
 「メープルシロップって何?」とおっしゃる方には、そもそもの原材料や採取法をレクチャー。「とっくに知ってるわ」と言う方には、ワンランク上の使いこなしテクをお話しましょう。

サトウカエデなどの樹液を濃縮した甘味料

質のよいメープルシロップは、産出する樹木分布の関係から、カナダの南東部からアメリカ北東部にかけて多く生産されています。なかでもカナダのケベック州のものは有名で、伝統的な特産品として高品質が保たれています。
 収穫は2~4月の寒暖の差の激しい春先に、サトウカエデの林のなかで行われます。直径30cm以上の樹にドリルで穴を開け、金属の取り出し口を差し込んで、バケツで樹液を受け止めるのが伝統的な採取法。最近では樹木の負担を減らすために、チューブを差し込み、真空ポンプで採取する方法がふえているとか。
 1本の樹から40~80L採れる樹液を集め、「シュガージャック」と呼ばれる砂糖小屋の中で煮詰めます。シロップの精製は、色や独特の風味を生かすように注意深くなされ、最終的には40Lの樹液から約1Lのメープルシロップが作られるといわれています。

上級者は「等級」で使い分けます

カナダでは、メープルシロップの品質を樹木の種類や採取時期などで等級分けしています。シロップの琥珀色が薄いほど高級品。光の透過率で以下のように5段階に分けられているのです。

希少価値の高いエキストラライトやライトは、フレンチトーストやホットケーキなどに直接たっぷりかけて、明るい黄金色を楽しみましょう。ミディアムは一般的に好まれるグレードで、使い方もオールマイティー。美しい琥珀色で風味も強く、料理の下味やピクルス作りなどにもおすすめです。アンバーは独特の香りがストレス解消にも効果的といわれています。ダークはフレーバーとして加工品や、工業的に使われることも多いようです。
 メープルシロップは白砂糖よりもカロリーが低めで、黒砂糖と同じようにカリウムやカルシウムなどのミネラル成分があり、マグネシウムや亜鉛も他の甘味料より多く含まれています。コクがあるけれど、クセやえぐみが少ないメープルシロップ。まだまだ馴染みが少ない甘味料ですが、これからは、もっと日常的に使いこなしたいですね。