\食育と栄養学/

食育と栄養学

正しい知識でこれからの毎日を楽しく #:149 2012.08.07更新 <監修: 医学博士 長野美根>

女子のプチ不調は鉄分不足

とくに病気ではないけれど、朝起きられない、肩がこるなど毎日がお疲れモード。最近そうした「プチ不調」を訴える女子がふえています。不調の原因にはさまざまなことが考えられ、パソコンやスマホの普及による目の酷使、人間関係のストレスなど、まさに現代人ならではの悩みとも密接な関係があるようです。  しかし案外見落としているのが「鉄分不足」。自分は大丈夫と思っていても、「疲れた~」が口癖になっているあなた、すでに「隠れ鉄不足」かもしれませんよ。

汗をかくこれからの季節にはとくにご用心

日本人女性(12歳~68歳)の1日の鉄分必要量は12mgとされていますが、ほとんどの年代で十分にとれていません。とくに生理がある女性は毎月23~30mgもの鉄分を失っているうえ、これからの暑くなる季節には、汗と一緒に鉄分も排泄されてしまうので注意をしてくださいね。
 鉄が血液中のヘモグロビンの成分であることはよく知られています。血液中の鉄が不足すると、酸素が体のすみずみにまでゆきわたらなくなり、目まいや立ちくらみ、冷え、肩こりなどの身体症状、また集中力の低下やイライラ、プチうつなどの精神症状など、さまざまなトラブルが現れるのです。しかし血液中の鉄が不足しても、すぐに症状が現れるわけではなく、体内の貯蔵鉄から補われます。でも油断していると、そのストックも不足して、貧血や体調不良を起こしてしまいます。この貯蔵鉄の不足が、「隠れ鉄不足」というわけです。

野菜&フルーツを鉄分補給に役立てましょう

野菜&フルーツを鉄分補給に役立てましょう

プチ不調を解消して毎日を元気に過ごすためには、食生活で上手に鉄をとる工夫が必要です。しかしこの鉄分は、単独で食べても体内に吸収されにくい栄養素。そこで吸収をアップする食べ合わせの知識や、食生活のコツなどがポイントになります。
 第一には、レバー、肉、魚、卵、大豆製品など、鉄分やタンパク質の多い食品をたくさん食べること。鉄分はもちろん、豊富なタンパク質は、血液を作る機能をアップさせます。しかしそれだけでは不十分です。同時に鉄分を吸収されやすい形に変えてくれるビタミンCの多い食品、たとえばパプリカ、ブロッコリー、ほうれん草、パセリ、レモン、パパイヤ、グレープフルーツなども、合わせて食べることがたいせつです。またレバーなどに多い葉酸も、赤血球に働いて貧血を予防する重要な栄養素。野菜ではアスパラガスやパセリ、クレソン、芽キャベツ、ブロッコリーなどにも多いので、こうした素材で作った、グリーンサラダの一品をメニューにプラスすれば、相乗効果が生まれますね。

夏こそ、規則正しい食習慣で鉄分ゲット!

ダイエットなどでカロリーを気にしていると、どうしても食べる量を減らすことが多くなります。全体的な食事量が減ると、食べ合わせの相乗効果もあまり期待できず、栄養そのものも不足しがちです。またこれからの季節、食欲がないからと、朝食を抜いたり、昼食はおそうめんばかりで済ませたり、肉などを敬遠していると、鉄分不足に陥りがちです。
 食欲のないときは酢や柑橘などの酸味や、トウガラシ、コショウなどのスパイスを生かした味つけにすれば、食がすすむうえに、胃の働きが刺激されて、鉄分の吸収が促されます。この夏はきちんと食べて、鉄分不足による「プチ不調」を吹き飛ばしてください。