\食育と栄養学/

食育と栄養学

正しい知識でこれからの毎日を楽しく #:154 2012.10.09更新 <監修: 医学博士 長野美根>

食べて回復させる体と脳の疲れ

長い残暑の時期が終わり、やっと秋の涼風が吹きはじめたのに、元気になるどころか、疲労やだるさがとれない、気力が出ないといった症状に悩まされていませんか。夏の間は冷房などで温度差のはげしい生活を強いられがち。自律神経に変調が起きて、涼しくなっても、だるい、食欲がない、眠れないなどの不調を訴える人がふえています。
 また、猛暑での睡眠不足、過労、筋肉疲労、精神的な不安などが疲労感の誘因だと思われますが、なかには内蔵疾患や血圧の異常、糖尿病やうつ病などがかくれていることもあります。十分に休養や睡眠をとっても改善しないときは、お医者様に相談を。

食生活を見直して、エネルギーをゲット!

疲労やだるさが続く場合は、食事内容を見直すこともたいせつです。3食をきちんと食べて、栄養バランスをとることは大前提。そのなかで、不足すると疲労を招きがちな栄養素を、きちんととっているかをチェックしてください。特に注意したいのはビタミンB1とカリウムです。ビタミンB1はエネルギーの代謝や、筋肉に蓄積された疲労物質である乳酸の代謝にもかかわっています。またカリウムは筋肉を収縮させる働きに関係しているので、不足すると脱力感が起こります。
 ビタミンB1は、ダイズ、豚肉、ウナギや麦、胚芽に多く、カリウムは、コンブやヒジキなどの海藻、イモ類やアボカドなどに豊富です。またエネルギーの生成にかかわり、カリウムを細胞中に取り込む役割をするアスパラギン酸もぜひとりたい栄養素。アスパラギン酸はアミノ酸の一種で、豆類やアスパラガスに多く含まれています。最近では、鶏の胸肉に多い、イミダゾールジペプチドと呼ばれる疲労回復物質も疲れを取る成分として注目されているようです。

抗酸化力のある食品で、慢性疲労を撃退しよう

抗酸化力のある食品で、慢性疲労を撃退しよう

疲労は体の細胞から発せられるSOSとも言えます。栄養やエネルギーが十分足りているのに疲れを感じてしまうのは、活性酸素に細胞が傷つけられているからです。有害物質によってつくり出された活性酸素が増えると、疲れを感じるだけでなく、免疫力を低下させて老化も早めます。
 細胞を活性酸素から守るために、抗酸化力のある食品を積極的にとりましょう。抗酸化ビタミンであるビタミンCやEはもちろん、第7の栄養素として注目されているフィトケミカル(ファイトケミカルとも言う)が有効です。フィトケミカルは植物性食品に含まれる化学物質の総称で、色や味、香りなどを構成する成分。緑黄色野菜に含まれるカロチノイドや、葉野菜のクロロフィル、大豆製品に多いイソフラボン、赤ワインでおなじみのポリフェノールなど、多くの種類があります。
 ぶどうやブルーベリー、バナナやパパイヤなどのフルーツにも多いので、朝食や食後のデザートに、上手に組み込んでください。フルーツなら、めんどうな調理なしにメニューにプラスワンできるのでおすすめです。
 長引く夏バテの疲労撃退には、バランスのよい食事で必要な栄養とエネルギーをしっかりとること。フィトケミカルを効率よくとって、免疫系を強化することを心がけましょう。