\ライフスタイル/

ライフスタイル

果物と野菜を中心とした生活を #:155 2012.11.06更新 <監修: 医学博士 長野美根>

グルテンフリーのこともっと知りたい

 アメリカのヘルストレンドは実にめまぐるしく、多種多様です。そうしたなか、たとえばsugar free(砂糖不使用)に代表されるように、健康にマイナスとされる材料の不使用をアピールしたものがあります。近年注目されているgluten free(グルテンフリー)もそのひとつ。
 日本でも自然食品の店などで、この表示にお目にかかることがありますが、アメリカでは一般のスーパーにもグルテンフリーの表示のある食品がたくさん並んでいます。またグルテンフリーのメニューが充実したレストランや、ケーキ店などの人気も高まっているようです。

グルテンは本当に悪者なの?

グルテンとは、小麦、大麦、ライ麦などの穀物から生成されるタンパク質の一種で、パンやうどんのもちもち感や弾力の素になる働きをするものです。しかしなかにはグルテンにアレルギーを持っている人がいるのです。グルテンを摂取すると小腸が過敏に反応して消化不良になり、吐き気や痛み、腸疾患などを引き起こす場合があります。このアレルギー反応がとても強い場合は、セリアック病という腸から栄養の吸収ができなくなる病気にかかってしまいます。自覚症状のない、軽いアレルギーの人も含めると、グルテンに対する過敏症の人は年々ふえていると言われています。
 そこで、グルテンフリーを実践したところ、体調がとても良くなったと言う声も多いのですが、グルテンは、パン、ホットケーキ、パスタ、ピザ、シリアル、ケーキ、クッキーなど、アメリカの食卓には欠かせない食品に多く含まれています。特にアレルギーはなくても、これらを制限することで摂取エネルギーが抑えられ、ジャンクフードも食べなくなり、自然とダイエット効果が生まれて、体調も良くなったという例もあるようです。

セレブ発信のグルテンフリー・ダイエットが流行

セレブ発信のグルテンフリー・ダイエットが流行

このようにグルテンフリーによるダイエットが注目を浴びたのは、ハリウッドの女優や、多くの有名セレブたちが実践していることも影響しています。健康志向の高い彼女たちが、「ヘルシーな新しい食習慣」として流行らせたというわけです。
 しかしグルテンフリー食にダイエット効果の医学的な根拠は無く、専門家のなかにはアレルギーのない健康な人までが、ブームにのってグルテンフリーの食品に走ることを心配する意見も多いのです。なぜならグルテンが含まれている穀物には、食物繊維をはじめ、鉄分や亜鉛などのミネラル、ビタミンB類などの、体にとって大切な栄養素が含まれているからです。グルテンフリーを続けると、こうした必要な栄養素が不足しがちになってしまいます。
 とはいえ、本当にアレルギーを持つ人にとって、グルテンフリーの食品はありがたいもの。小麦粉や大麦、ライ麦などの代わりに、米粉やトウモロコシ粉、ジャガイモ粉などを使ったパンやパスタなどは強い味方です。反面、流行にのってアレルギーでもないのにわざわざかたよった食生活を続けるのは、栄養面からもおすすめできません。自分だけで思い込まずに、心配ならまず専門医に相談することから始めましょう。