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果物と野菜を中心とした生活を #:158 2012.12.11更新 <監修: 医学博士 長野美根>

クリスマスを待つアドベント菓子

12月が近づくと、お菓子やチョコ入りのアドベントカレンダーが出回ります。アドベントとは「到来」を意味するラテン語から発した言葉で、キリストの到来を意味し、宗派によって「待降節」や「降臨節」とも訳されています。アドベントは、クリスマスイブまでの約4週間前から始まり、子供たちは、お菓子のカレンダーでイブを待ちわびるというわけです。ヨーロッパにはこうした市販のお菓子とは別に、今も作られている伝統のアドベント菓子が数多くあります。その中から日本でもお馴染みのものをピックアップしご紹介しましょう。

ドイツの「シュトーレン」は少しずつスライスして食べます

なかでもよく知られているのは、ドイツの「シュトーレン」。その形状は宗教儀式に使う薪や柱を表すという説もあります。生地にはドライフルーツやマジパン、ナッツなどが練り込まれていて、表面には砂糖がまぶしてあるのが特徴です。焼き立てよりも、日がたつにつれて熟成し、フルーツやラム酒の香りが深くなるので、少しずつスライスして、味の変化を楽しみながらクリスマスを待つのが習慣のようです。
 本来はドイツの都市ドレスデン発祥の郷土菓子でしたが、今ではドイツ中のパン屋さんやケーキ屋さんが、クリスマスシーズンには一斉に売り出します。シュトーレン作りには手間ひまがかかるのでお店で買うことが一般的になっています。

イタリアの「パネットーネ」もアドベントに欠かせません

ミラノの銘菓として有名な「パネットーネ」。大きなパンという意味ですが、その歴史は古く、ローマ時代にはすでにその原型が作られていたという説もあります。特殊なパネットーネ種の酵母でじっくりと発酵させたブリオッシュ生地のなかに、オレンジピールやレーズンなどのドライフルーツを加えた、ふんわり、しっとりとした菓子パンです。以前はクリスマスの4週間前になると、各家庭で焼かれ、友人や親戚にも配られたそうですが、独特の酵母の扱いが難しく、やはり現在は市販ですませることが多くなっているとか。バターたっぷりのリッチな風味と独特の芳香は、お祝いの席には欠かせません。長期保存ができるので、今ではクリスマスだけではなくバレンタインやイースター時期にも多く出回ります。

イギリスは「パンプディング」で、家族の幸運を占います。

イギリスは「パンプディング」で、家族の幸運を占います。

ディケンズ著の『クリスマスキャロル』にも登場する「パンプディング」は、イギリスの代表的なクリスマス菓子。生地に、お酒に漬けたドライフルーツやナッツ、スパイスなどを加え、牛脂を混ぜて蒸し上げるのが伝統的な作り方です。最近では牛脂の代わりにバターを使い、食べやすく仕上げるのが主流のようです。
 いずれにせよ、蒸し上げてからしばらくおいたほうが熟成しておいしくなるので、クリスマスの数カ月前から仕込む家庭もあるほどです。アドベントに入った頃に、家族皆で願い事を唱えながら生地を混ぜ合わせるというイベントも楽しそう。生地にコインや指輪などを入れ、切り分けたときの運だめしをするという習わしもあります。クリスマスの当日には、このパンプディングを温めなおし、ホイップクリームなどを添えていただきます。

このようにヨーロッパのクリスマス菓子には、古い歴史や伝統に育まれてきたものがたくさんあります。今年のクリスマスシーズンには、アドベント菓子を楽しみながら、ツリーやオーナメントの準備をしたりと、ひとあし早くクリスマス気分にひたりながら、イブの日を待つのはいかがですか。