\食育と栄養学/

食育と栄養学

正しい知識でこれからの毎日を楽しく #:165 2013.04.09更新 <監修: 医学博士 長野美根>

おめざフルーツは生食がいちばん

 「朝のくだものは金、昼は銀、夜は銅」というヨーロッパのことわざを耳にしたことはありませんか。これはフルーツの栄養効果を、オリンピックのように「金、銀、銅」にたとえてランクづけをしたものです。これには栄養学的な根拠がたくさんあるのですが、その一つがフルーツの甘みのもとである糖質です。
 糖質は私達が活動するためのたいせつなエネルギー源。フルーツにはブドウ糖や果糖などの糖質が多く含まれ、自然の甘みのもとになっています。これらはすぐに吸収できる構造の単糖類で、吸収が早いのが特徴。ですから朝に素早くエネルギーを補給したいときにはとても効果的なのです。
 また果物の香りの持つアロマ効果も見逃せません。柑橘の果皮に含まれる精油成分のリモネンをはじめ、パイナップルやバナナの香りは、寝起きの気分をリフレッシュし、リラックスさせてくれます。あわただしい朝の食卓にかぐわしい香りのフルーツがあるだけで、体のすみずみまで目覚めていくような、とても豊かな気持ちになりますね。

生食の魅力は、手軽さとビタミンCのゲット!

生食の魅力は、手軽さとビタミンCのゲット!

忙しい朝は、朝食メニューに丸ごとのフルーツを加えましょう。調理の手間がいらないうえ、いろいろな栄養素を同時にとることができます。また調理をしなくてもよいので、栄養の損失が少ないことも注目したい点です。とくに熱に弱く、水にも溶けやすい性質を持つビタミンCの補給にはおすすめです。
 ビタミンCは人間の体内では作ることのできない栄養素。しかもその日に摂取した量は必要なだけ吸収されて、残りは排出されてしまいます。ですから翌日に必要な量は、また摂取しなくてはいけません。免疫力をアップさせ、ストレスへの抵抗力を高め、美肌のもとのコラーゲン生成にも役立つなど、体にうるおいをもたらす大切な栄養素のビタミンC。この不足を補うためにも、毎日の朝食には生のフルーツを用意したいものです。

フルーツは、第6、第7の栄養素も充実した食物

食物の5大栄養素に続く第6の栄養素としてすっかり定着した食物繊維ですが、その働きは大きく、不溶性食物繊維は主に腸内の内容物を吸着して有害な物質を排出させ、水溶性食物繊維は食後の急激な血糖値の上昇を防いだり、コレステロールの吸収を抑制するなど、生活習慣病の予防に有効です。フルーツの多くには、この両方の食物繊維が含まれていて、手軽に食べられるので補給にはもってこいです。
 この第6の栄養素に続き、さらに第7の栄養素として栄養学の世界で注目を浴びているのがフィトケミカル(又はファイトケミカルとも言う)。これは果物や野菜に含まれる化学成分の総称で、主に色素や香り、渋み、苦みなどの成分のこと。フィトケミカルは、老化や生活習慣病の原因となる活性酸素を抗酸化作用によって取り除き、免疫力を高める働きをします。その種類はとても多いのですが、フルーツでおなじみのものは、ぶどうやブルーベリーに多いアントシアニン、バナナや柑橘に含まれるフラボノイドなどです。こうしたフィトケミカルの力を効率よく生かすためには、加工するよりも生で食べるのがおすすめです。

 これからの季節、寝起きの水分補給の意味もかねて、生で楽しむおめざフルーツの習慣、はじめてみませんか。体に良いことがいっぱいですよ。