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【スペシャルインタビュー】俳優・タレントMEGUMIさん「自分の弱さと向き合い、乗り越えた人は美しい」

現在、俳優やタレントとして活動するMEGUMIさん。最近は、独自の美容法をまとめた著書がベストセラーになったり、カンヌ国際映画祭会期中に日本の映画や文化を世界に向けて発信するイベント「JAPAN NIGHT」をプロデュースしたりと、多方面で注目を集めています。そんなMEGUMIさんに、自身の考える「美」や、フルーツ習慣、今後のテーマなどについてお話を伺いました。

私が考える真の「美」は、マインドや体調が整っていること

今、MEGUMIさんが発信する美容情報が大人気ですが、ご自身の「美」に対する考え方は、年齢を重ねるにつれ、どのように変化してきましたか?

20代の頃は、“キレイになりたい”とか“コンプレックスを払拭したい”という思いが強かったんです。でも、35歳を過ぎた頃から、大事なのは見た目だけではないなと感じるようになって。

その頃から、体調のゆらぎを感じることが増えてきて、そうするとマインドも揺らいで、パフォーマンスが落ちたり、周りの人にネガティブな態度をとって迷惑をかけてしまったり。そういう経験から、体調はマインドに直結しているなと感じて、美容だけでなく“健康”にも比重を置くようになったんです。

40歳を超えると、体調が悪いと顔色も悪く見えたり、不機嫌そうに見えたりして、暗い印象になってしまう。結局、内面が整っていないと見た目に表れてしまうんですよね。なので、きちんとした食事を摂ったり、しっかり睡眠をとったり、運動を習慣にしたりして、メンタル面も整えることを、見た目と同じくらい大切にするようになりました。

Profile
俳優・タレント。1981年生まれ。テレビ番組や雑誌のほか、多くのドラマや映画に出演。2020年2月に映画『台風家族』『ひとよ』で第62回ブルーリボン賞助演女優賞を受賞。映像プロデュースも手がけ、映像集団「BABEL LABEL」にプロデューサーとして参加。女性応援ドラマ『完全に詰んだイチ子はもうカリスマになるしかないの』『くすぶり女とすん止め女』(22~23年・テレビ東京)が話題に。著書『キレイはこれでつくれます』(ダイヤモンド社)は60万部を突破。近著『心に効く美容』(講談社)も好評。

―美容や健康を考えるうえで、“これだけは譲れない”という習慣はありますか?

肌について言えば、大事にしているのは、やはり「保湿」です。乾燥していると顔色が悪くなったり、シミやシワが増えてしまったり、とにかくネガティブなことが増えてしまう。だから保湿はしっかりするようにしています。

そして、もうひとつは「巡り」。運動や入浴をして血流を促す、便秘にならないように食事に気を付けるというふうに、「巡り」「循環」を意識しています。

―MEGUMIさんが考える「美しい人」とはどんな人でしょうか?

そうですね。肌がキレイ、顔が引き上がっている、スタイルがいいというような、そういう誰もが思い浮かべるような美しさには、もちろん永遠に憧れます。とはいえ、表情が乏しかったり、溌剌としたエネルギーがなかったり、やりたいこともなくつまらなそうに生きていたら、いくら肌がキレイでも真に美しいとは言えないと思うんです。

私が今までいろんな方にお会いしてきて、“この方、素敵だな”と感じたのは、自分の好きなことに向かって努力している方。外面と内面が両立している姿を見ると、“キレイだな”“素敵だな”“カッコいいな”と思います。

フルーツはとにかく毎日、意識して食べるようにしています

―MEGUMIさんが、美容や健康のために、日々の食生活で心がけていることを教えてください。

仕事柄、食事は外食やお弁当が多いのですが、現場でのお弁当のときは、若玄米や玄米を炊いて持っていって食べるようにしています。お味噌汁も必ず飲むようにして。それ以外のときは基本的に家で自炊して、蒸し野菜や納豆ごはんといったシンプルな粗食を心がけています。

フルーツは、よく食べますか?

私は、病気を防ぐための“未病”専門のクリニックに定期的に通っているんですが、そこのドクターに「フルーツの自然な果糖は健康寿命を延ばすうえでとてもいいから、とにかくいっぱい食べなさい」と言われているので、毎日意識して食べています。家でもよく食べますし、車での移動中や仕事現場のおやつ、ディナー後のデザートなど、色々なシチュエーションで季節のフルーツを食べるようにしています。

バナナやパイナップルを食べることもありますか?

バナナはよく食べますね。日々の習慣が自分を作っていくので、何でも習慣化することは大事だと思います。その点バナナは一年中あって、手軽にとれるから習慣化するのに一番いいですよね。パイナップルは、夏によく食べます。エネルギーがぎゅっと詰まっている感じがして、おいしいですよね。

もったいないバナナとスウィーティオパイナップル

日本ならではの美しさや文化を世界に伝えていきたい

―MEGUMIさんは、カンヌ国際映画祭会期中に日本の映画や文化を世界に紹介する文化交流イベント「JAPAN NIGHT」をプロデュースされていますが、そこに至った経緯を教えてください。

そもそも映画というものは、食や衣装、メイク、音楽といった、さまざまな文化が集結してできていますよね。そうした複合的な文化が一つになり、世界中の人々に伝わっていく――。だからこそ、映画は文化を世界に発信する素晴らしいプラットフォームだと、私は思っているんです。私自身、25年近くエンターテインメントの世界に身を置いてきましたが、4~5年前からはプロデュース業も始め、日本映画の可能性についても自分なりに考えるようになりました。

そんなとき、2022年に初めてカンヌ国際映画祭に行って、さまざまな海外の方と話す中で、日本の先輩方が作ってきた映画を今も愛しているという方がたくさんいることを知りました。こんなに日本映画は愛されているんだなと、肌で感じたんです。だったら私たちからも、ヨーロッパの人に向けて、日本の映画や文化をPRしていきたいと思い、「JAPAN NIGHT」の開催に至りました。

昨年カンヌで行われた「JAPAN NIGHT 2024」の様子

ご自身が演じる側でありながら、自らイベントのプロデュースもするというのは、ものすごい行動力ですね?

もともと元気なんですよ(笑)。それこそ、毎日フルーツを食べているおかげかもしれません(笑)。

「JAPAN NIGHT」で、MEGUMIさんが伝えたい日本の魅力や美しさとは、どんな点ですか?

日本には“鍛錬”という言葉がありますが、海外の方はよく「日本人はなぜ同じことをひたすら繰り返せるの?」と不思議がります。そうした日本人のマインドをすごいと感じてくれているようです。実際、私自身も映画に出たり作ったりする中で、日本人の段取りの良さや、一つの目標に向かっていくパワーは、すごく誇らしいと思っています。

それから、四季があるのも日本ならでは。季節の移ろいや侘び寂びも、日本の美であり魅力ですよね。日本にいると気づきにくいですが、海外の方と話すと、着物や器、食、音楽と、色々な日本の文化を面白いと感じてくれているようで、それを聞いて改めて日本の素晴らしさに気づかされます。そんな日本が好きですし、海外の人にもっと伝えていきたいですね。

―「JAPAN NIGHT」ではDoleの「もったいないバナナSTORY」を上映していただけるそうですが、「もったいないバナナプロジェクト」に対して、どんな印象をお持ちになりましたか? 

まだ食べられるバナナを、皮に傷があるからなどの理由だけで捨ててしまうのは、当然もったいない。ありえないことだと思うので、「もったいないバナナプロジェクト」は素晴らしい取り組みだと思いますし、時代にもフィットしていると感じました。

今って、人間もそうですよね。以前はモデルやタレントやミュージシャンも、「誰もが美しいと思う人」が活躍する時代でしたけど、今はそうではなく、確固たる個性やアイデンティティのある人が活躍できる時代。「もったいないバナナプロジェクト」は、そういう時代との親和性もあるのかなと思っています。“みんなそのままでいい”という個性を活かせる時代になってきたのは、素晴らしいことですよね。

▼Dole「もったいないバナナSTORY」

自分の活動を通して、女性を元気にしていくことがテーマ

これから挑戦したいこと、大切にしていきたいことは何ですか?

最近、「JAPAN NIGHT」やプロデュース業、美容など、これまでコツコツ積み重ねてきたことが、すべてテーブルにのってきた感覚があるんです。だから今は、これらをすべてアップデートして、愛を持って取り組めば、きっと面白いことになるだろうと思っています。

そもそも私の活動の原点は、5〜6年前に「日本人女性の自己肯定感が世界最下位」というニュースを見たことでした。それをきっかけに、“これからの自分のテーマは女性を元気にすることだ” と思ったんです。今やっていることは、すべてその思いにつながっています。

エンタメの世界でも、女性が中心になって動かすプロジェクトは、まだまだ多くありませんし、ほかの世界でも同じかもしれません。だからこそ、私のような存在が一人でも増えていったらいいなと思っています。「JAPAN NIGHT」も、実際にやってみたら、たくさんの人に喜んでいただきました。だから、継続していけばきっととてつもない価値を生み出せるという確信があります。大変だけど、ワクワクする大変さ。今あることを、大事にやりきりたいなと思っています。

―MEGUMIさんの挑戦する姿は、多くの女性に勇気を与えていると思います。ご著書の美容習慣も、簡単ですぐに真似ができることが多くて、とても参考になりました。

基本、ガサツでせっかちなので、何事も丁寧にはできないんですよね(笑)。でも“それでも変われるからやってみて”ということを伝えたいので、そこに共鳴してくださるのはとても嬉しいです。

―MEGUMIさんが考える「美しさ」は、これからの自分や社会にどんな影響を与えると思いますか?

最近、ちゃんみなちゃんのオーディション番組『No No Girls』を見たんですが、素晴らしい言葉をかけてくれる指導者がいると、人はこんなにも自信を持てて、こんなにも輝くんだと感動したんです。自分の弱さやコンプレックス、心の傷に向き合い、乗り越えた人って、本当にかっこいいし、美しいなと思いました。

美容も同じで、肌は年齢とともに老化しますが、コツコツ続ければ、やった分だけ変わるんですよね。たとえば毎日シートマスクをするとか、何かを習慣にすると、表情が変わってくる。若い頃の“キレイ”と違って、努力を積み重ねた結果だからこそ、その人自身がより輝く。「頑張るって、いいな」って思います。

私も、たまに“なんでこんなに色々やっているんだろう?”と思うことはあります。でも、やらせてもらえること自体がチャンスだと思うんです。だからこそ、一生懸命自分を奮い立たせて取り組んでいます。それが誰かにとってほんの少しでも光になるなら、こんなに嬉しいことはありません。世の中には、ひとりで懸命に頑張っている女性もたくさんいます。これからもそんな方たちを応援していきたいですね。

※記事の情報は2025年5月13日時点のものです。