サッと食べられて満足感のあるバナナ。おやつに軽食にスポーツ時にとさまざまなシーンで食べられていますが、1日あたりの適量はあるのでしょうか? 適量のバナナから摂取できる栄養や、バナナの活用アイデアなど、管理栄養士に聞きました。
教えてくれたのはこの方
森由香子(もり ゆかこ)さん
管理栄養士・日本抗加齢医学会指導士
東京農業大学農学部栄養学科卒業、大妻女子大学大学院(人間文化研究科 人間生活科学専攻)修士課程修了。管理栄養士として医療機関をはじめ幅広い分野で活動中。管理栄養士・日本抗加齢医学会指導士の立場から食事からのアンチエイジングを提唱し、「かきくけこ、やまにさち」®食事法の普及につとめている。東京都内クリニックで栄養指導、食事記録の栄養分析、フランス料理の三國清三シェフととともに病院食や院内レストランのメニュー開発、料理本制作の経験をもつ。
目次
バナナは1日何本食べてもいいの? 適量はある?
バナナ1本の可食部を100gとして、1日に食べるのは2本程度(可食部200g)が適量だと考えます。
厚生労働省が健康増進法に基づき食物摂取量などの目標値を定める「健康日本21」では、フルーツの1日の摂取目標を可食部200gとしていて、これをバナナで考えると約2本分になります。常温保存で皮付きのまま携帯できて便利ですし、皮を剥くだけですぐに食べられるので、普段フルーツを食べる機会が少ない方も、バナナなら手軽に日常の中に取り入れることができると思います。
なお1日の摂取量はぴったり200gでなくても構いませんが、あまりに多くの量を毎日食べていると、カロリーや果糖の摂り過ぎからの体重増加や生活習慣病発症の原因にもつながるので、適量を目安に楽しみましょう。
バナナを適量食べるメリットは? 摂取できる栄養素一覧
バナナを適量食べるメリットは、栄養素やエネルギー量の底上げができ、しかもそれがからだに優しいナチュラルな栄養摂取だということです。栄養がしっかり摂れるうえ、低脂質で適度なエネルギー量なので、ダイエット中、ダイエットを始める方でも選びやすい食品と言えます。
例えば便秘の予防・解消などが期待できる食物繊維は1日の摂取基準値の約10%、高血圧予防としてやナトリウム排出に効果的なカリウムは約30%、肌や脂質の代謝を促すビタミンB6は約50%を摂取できます。
バナナに含まれる栄養素と、1日あたりの摂取基準値量は下表の通りです。
バナナに含まれる主な栄養素と1日あたりの摂取基準値
栄養素 | 100g(約1本)あたり | 200g(約2本)あたり | 1日の摂取基準値 (30~49歳・男性) | 1日の摂取基準値 (30~49歳・女性) |
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エネルギー | 93 kcal | 186 kcal | 2750 kcal | 2050 kcal |
たんぱく質 | 1.1g | 2.2g | 50g | 40g |
炭水化物 | 22.5g | 45.0g | 摂取エネルギーの 50~65% | 摂取エネルギーの 50~65% |
脂質 | 0.2g | 0.4g | 摂取エネルギーの 20~30% | 摂取エネルギーの 20~30% |
食物繊維 | 1.1g | 2.2g | 22g | 18g |
カリウム | 360mg | 720mg | 3000mg以上 | 2600mg以上 |
マグネシウム | 32mg | 64mg | 380mg | 290mg |
カルシウム | 6mg | 12mg | 750mg | 650mg |
鉄 | 0.3mg | 0.6mg | 7.5mg | 10.5mg |
ビタミンA (β-カロテン当量) | 56μg | 112μg | 900μg | 700μg |
ビタミンB1 | 0.05mg | 0.1mg | 1.2mg | 0.9mg |
ビタミンB2 | 0.04mg | 0.08mg | 1.7mg | 1.2mg |
ナイアシン | 0.7mg | 1.4mg | 16mg | 12mg |
ビタミンB6 | 0.38mg | 0.72mg | 1.5mg | 1.2mg |
ビタミンC | 16mg | 32mg | 100mg | 100mg |
ビタミンE (α-トコフェロール) | 0.5mg | 1mg | 6.5mg | 6.0mg |
葉酸 | 26μg | 52μg | 240μg | 240μg |
出典
日本食品標準成分表2020年版(八訂)
日本人の食事摂取基準(2025年版)
こんな食べ方もおすすめ! バナナ活用アイデア【タイミング編】
朝に食べてハッピーな1日&質の高い睡眠を!

トリプトファンやビタミンB6、炭水化物(糖質)が含まれるバナナを朝食にすると、日中に、気持ちを明るく前向きにしてくれる「セロトニン」がつくられます。夕方、暗くなってくると、セロトニンを原料に合成された睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」の分泌が活発になります。メラトニンの働きにより睡眠の質が上がり、翌朝も目覚めがよくなって、疲労感が残りにくくなるので体調が整いやすくなります。元気なからだと精神は、仕事のパフォーマンスアップにもつながります。
運動前・運動後のエネルギー補給に!

運動前には、エネルギー源となる糖質をしっかり摂ることも重要。バナナに含まれる糖質は消化吸収が早く、すぐにエネルギーになるので、最適です。とはいえ、運動する直前ではなく、1時間ほど前に食べるようにしましょう。また、運動後のエネルギーチャージや汗で失われたビタミン、ミネラルの補給にも役立ちます。常温で保存できるので、運動するときは2本準備しましょう。
小腹が空いたときの間食として!

甘く食べごたえのあるバナナは、小腹が空いたときの間食にもぴったり。先述の通り、食物繊維やビタミンなどからだが喜ぶ栄養の補給もできます。なお間食をするときは、1日に摂取するエネルギー量の10%程度になるようにするのがベターです。たとえば、1日2000Kcalの人は、200Kcal(バナナ2本分)を間食にあてることができます。
夜遅くなった日の食事代わりに!

食事の時間が遅くなってしまったときにも、バナナは活躍してくれます。そのまますぐに食べられるので調理が不要なうえ、消化吸収が良いので、胃腸に負担がかかりにくいのも嬉しいポイント。
こんな食べ方もおすすめ! バナナ活用アイデア【組み合わせ編】
乳製品と一緒に!
牛乳やヨーグルトなどの乳製品にはたんぱく質やカルシウムなどさまざまな栄養素が含まれています。定番の組み合わせはおいしいだけでなく、栄養バランスのアップにもつながります。
▼バナナと乳製品を使ったDoleのレシピはこちら



ココアと一緒に!
ココアは食物繊維やポリフェノールが豊富なので、バナナと一緒に摂ると腸のデトックス効果が期待できます。そこに牛乳をプラスすると、乳糖が胃腸の運動を高めてくれるので、さらにいい組み合わせになります。
▼バナナとココアを使ったDoleのレシピはこちら



アボカドと一緒に!
味の相性もいいアボカドとバナナ。アボカドに多く含まれるビタミンB2が、バナナのビタミンB6と合わさり、肌の健康づくりに役立ちます。さらに美肌を目指す方には、豊富なビタミン類が含まれる豆乳を一緒に飲むアイデアも。
▼バナナとアボカドを使ったDoleのレシピはこちら



バナナで、健やかな毎日を!
Doleでは、バナナを継続に食べることで健康に毎日を過ごす「バナ活®」を推進しています! バナナの「ナナ(7)」にちなみ、毎月7日は「Doleバナ活®の日」として日本記念日協会にも認定されています。
あなたも、体にいい栄養がたっぷり含まれるバナナを食べて、健康な毎日への小さな一歩を踏み出してみませんか?
▼Doleバナ活®の詳しい情報はこちら

※記事の情報は2025年7月11日時点のものです。