バナナにはカリウムやGABA、食物繊維などたくさんの栄養が含まれています。甘くておいしいバナナは毎日食べてよいのでしょうか? 管理栄養士が気になるバナナの栄養や魅力を解説します。

朝ごはんや間食に手軽に食べられるバナナ。毎日食べても大丈夫なのでしょうか? バナナには体にうれしい栄養がたくさん含まれています。そんなバナナの魅力を管理栄養士が解説します。
目次
手軽なバナナ。毎日食べても太らない?
皮をむくだけで食べられるバナナ。お手軽なので朝ごはんや小腹が空いたときなど、毎日のように召し上がっている方も多いのではないでしょうか。甘みの強いバナナは太ると思われがちですが、実は誤解です。バナナのカロリーや脂質などの量を見てみましょう。
バナナは高カロリー?
1本(可食部100g)あたり、93kcalと実はさほどカロリーが高くありません。気になる脂質は1本あたり0.2gと低いのが特徴です[1]。
低脂肪なバナナはお腹に負担が少ないので、小さなお子様からお年を召した方まで楽しめる食材のひとつです。農林水産省・厚生労働省による「食事バランスガイド」では1日の間食のエネルギーは200kcal程度までを推奨しています。一方でバナナは1本あたり100kcal以下なので食べ過ぎに気をつければ、体重が気になる方にもおすすめの食品です[2]。
体にうれしいバナナの栄養素、バナナの魅力的な栄養素
1本のバナナに含まれる栄養価を確認してみましょう。
炭水化物:22.5g
食物繊維:1.1g
ビタミンC:16mg
ビタミンB6:0.38mg
カリウム:360mg[1]
18歳以上の女性におけるビタミンB6の推奨量は1.2gです。バナナ1本で1日分の35%を補うことができます[3]。
炭水化物は素早く変換されるエネルギー源として役立ちますので、朝食やスポーツの前などに取るのもおすすめです。
健やかな腸内環境をサポートする食物繊維
食物繊維は、消化されずに大腸まで達する成分で、腸を整える働きや過剰な塩分、脂肪を排出する働きがあります。バナナ1本(可食部100g)に含まれる食物繊維1.1gのうち、水に溶ける水溶性食物繊維は0.1g、水に溶けない不溶性食物繊維は1.0gで、バナナに含まれる食物繊維のほとんどが不溶性食物繊維です[1]。
不溶性食物繊維は、水分を吸収して腸を刺激し、排便を促す働きがあります。日本人は食物繊維が不足しがちなので、意識して取り入れてください。

抗酸化作用を持つ栄養素
ビタミンC、ビタミンE、β-カロテン、ポリフェノールなどは、抗酸化作用を持つ成分として知られており、活性酸素が過剰に生産されるのを抑える働きがあります。活性酸素は加齢や生活習慣などが原因で過剰に増えることで、細胞や組織にダメージを与え、免疫力の低下につながると考えられています。バナナはこのような抗酸化成分のほか、健康維持に欠かせない栄養素が手軽に補給できます[4]。
塩分の取りすぎに役立つカリウム
バナナ1本(可食部100g)で18歳以上の女性が1日に必要なカリウムの目安量18%が補えます[1][2]。カリウムはナトリウムを体外に排出するのを助ける働きがあり、取りすぎた塩分の調整に役立つミネラルです。塩分の取りすぎは、高血圧などの生活習慣病に深く関わりがあるため、注意が必要です。水に溶ける性質があるので、ゆでたり、煮込んだりすると減ってしまいますが、バナナは生で食べられるのでカリウムを損なうことなく摂取できます[5]。
Doleのバナナに含まれるGABAとは?
Doleのバナナには、GABA(γーアミノ酪酸)が含まれています。GABAとは人の体内にも広く存在する天然アミノ酸のひとつで、興奮した神経を鎮める神経伝達物質です。また血圧上昇の原因(ノルアドレナリン)の発生に関与し、血圧が上がりすぎるのを抑制する働きがあります。
お腹を整えるならレジスタントスターチ。青バナナとは?
レジスタントスターチとはバナナに含まれる難消化性デンプンのことです。分解・吸収されにくいデンプンで、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維との両方の働きをし、食物繊維と同様に腸内環境を整える効果が期待できます。
さらに効率的にレジスタントスターチを取るなら完全に熟す前の両端が青いバナナ「グリーンチップバナナ」がおすすめです。熟して全体が黄色くなったバナナよりも約2.7倍のレジスタントスターチが豊富に含まれています[6]。
毎日のバナナにおすすめのバナナレシピ
こちらでは、毎日のバナナ生活に役立つレシピをご紹介します。皮をむくだけでそのまま食べてもおいしいですが、スムージーにするとより満足感がアップするので朝ごはんにおすすめです。
バナナとオートミールを使った蒸しパンは小腹が空いたときや、ブランチにもいかがでしょうか。オートミールは食物繊維が豊富で満腹感を得やすく、また腹持ちがよいので育ち盛りの子どもたちのおやつにも役立ちます。
バナナときな粉の豆乳スムージー
豆乳を使ったヘルシーなスムージーです。牛乳よりも豆乳の方がカロリーと脂質が低いので、ダイエット中も安心して楽しめます。
オリゴ糖と食物繊維を含むきな粉とバナナを使ったスムージーは腸の健康維持に役立ちます。

バナナオートミール蒸しパン
青バナナとオートミールを使った蒸しパンはデザートとしても、軽食にもおすすめです。食物繊維を含むオートミールと青バナナを組み合わせることで、自然なお通じをサポートしてくれます。

バナナとトマトのカプレーゼ
カラフルなカプレーゼは、パーティーにも普段の食事にも大活躍の1品です。
トマトにもGABAは含まれているので、血圧が気になる方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。

まとめ
1日を元気に過ごすために大事な朝食。エネルギー源として使われる糖質や健康な体づくりに役立つレジスタントスターチを含むバナナは朝にぴったりです。スムージーやヨーグルトなどに取り入れるアレンジレシピも、ぜひ活用してみてください。
【参考文献】
[1]文部科学省. 日本食品標準成分表2020年版(八訂).
[2]厚生労働省. “食事バランスガイド”. e-ヘルスネット. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-007.html, (参照2025-2-6).
[3]厚生労働省. 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書. 2024. p.237. https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316585.pdf, (参照2025-2-6).
[4]厚生労働省. “抗酸化ビタミン”. e-ヘルスネット. 2019. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-008.html,(参照2025-2-6).
[5]厚生労働省. “カリウム”. e-ヘルスネット. 2021. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html, (参照2025-2-6).
[6]Dole. “Dole バナ活×スポーツ 毎日ハッピー!. https://www.dole.co.jp/lp/jp/banakatsu/, (参照2025-2-20).