ドールが保育園・幼稚園へ届けている「食育キャラバン」。20年以上続くこの取り組みは、朝ごはん、食事バランス、手洗いの重要性から、食べ物を大切にする気持ちまで、子どもたちが日常の中で実感できるテーマを、キャラクターや会話、クイズを通して楽しく学べる食育プログラムです。園児たちが夢中になり、ときにはずっこけたり、ときには泣いてしまったりするほど心を動かされる理由とは──。総合ディレクターを務める森川さんと、お姉さん役の菊池さんに、その魅力を伺いました。
目次
歌や劇で学ぶ、ドールの食育プログラム

「ドール食育キャラバン」は、「小さいころからバランスよく食べる習慣を身につけてほしい」という願いのもと、ドールが2003年から続けている食育活動です。5 A DAY(ファイブ・ア・デイ)運動の基本理念に基づき、青果物を販売するだけでなく、「食べること」の大切さを子どもたちに楽しく伝えることを目的としています。
幼稚園・保育園の園児を対象にしたプログラムには、お姉さん、博士、そしてドールオリジナルキャラクターのスウィーティオが登場。歌や劇を交えながら、食べることの大切さやバランスのよい食生活について、子どもたちにわかりやすく伝えます。楽しみながら学べる”エデュテーメント”形式を取り入れているため、自然と食への興味や関心を育めるのが特徴です。
これまで、延べ4,300園以上、58万人以上の園児が参加し、2022年からはリモート公演も実施しています。長年にわたり多くの園で親しまれてきたこのプログラムについて、総合ディレクターの森川さん、スタート当初から携わっているお姉さん役の菊池さんにお話を伺いました。
お話をしてくれたのはこの方々
森川 直樹(もりかわ なおき)さん
株式会社8c 代表取締役。「ドール食育キャラバン」のエデュテーメントプログラムでは、総合ディレクターを務める。
菊池 早希子(きくち さきこ)さん
発足時から、20年以上に渡り「ドール食育キャラバン」に携わる。キャラバンでは、お姉さん役としておなじみ。
“食べて元気になる”を楽しく伝える「ドール食育キャラバン」
――まずはじめに伺いたいのですが、「ドール食育キャラバン」は、子どもたちにどんなことを伝えるプログラムなんですか?
森川 このプログラムは、子どもたちに食に関する大事なことを楽しみながら伝える内容になっています。主なテーマは3つで、まずは「朝ごはんをしっかり食べよう」ということ。食べないと元気が出なかったり眠くなったりするので、1日の活力として重要だと伝えています。
次に「元気ゴマ(食事バランスガイド)」に沿って、「好き嫌いなくバランスよく食べよう」ということ。そして「手洗いをしよう」という内容です。汚れがないように見えても手にはバイキンがいるので、食べる前にしっかり手を洗う大切さを伝えています。さらに最近は、まだ食べられるのに規格外となってしまったバナナを活用する「もったいないバナナ」の取り組みも加わり、食べ物を大切にする気持ちを学んでもらっています。

――プログラムを作るうえで、特に意識されたことはありますか?
菊池 食は誰にとっても欠かせないものですが、子どもたちが「自分にどう関係しているのか」を理解するのは難しいですよね。だからこそ、まずは会話のやりとりで盛り上げながら、感覚的に「これは大事なことなんだ」と思ってもらえるような構成になっています。理解する力や、考える力を引き出せるようなものにしたいという思いもプログラムに込めています。
「楽しかった!」が、食育の入口になる
――プログラムには歌や劇が盛り込まれているということですが、どんな内容なんでしょうか。
菊池 子どもに話しかける「お姉さん」と、子どもに寄り添う「博士」、それにドールのキャラクター「スウィーティオ」を加えて会話形式で進める内容になっています。スウィーティオは子どもたちのことが大好きで、出会ったその日からみんなの友だちです。博士は、苦手な野菜があったり、手を洗わなかったりと、あえて”少し頼りない”一面も持たせたキャラクターです。そのため、子どもたちは自然と”教えてあげたい”という気持ちが芽生え、自主的に参加してくれます。

――子どもの心をつかむために工夫されていることがあれば教えてください。
菊池 子どもたちは本当に個性豊かで、園の雰囲気もさまざまなので、状況に応じて接し方も工夫しています。例えば、子どもたちが慣れ親しんだ園の先生方の話し方や動きのリズムを参考にさせていただくことがあります。いつものペースに私たちが近づくことで、子どもたちの安心感につなげたいと考えています。
また、リアルタイムでつながっていることを実感してもらうように、プログラムの最初に園の名前やクラス名を呼んで、コミュニケーションを取るようにしています。
――プログラムの中で、子どもたちが盛り上がるのはどんな場面ですか?
森川 手洗いについて学ぶ時間や、子どもたちが参加できるクイズはすごく盛り上がりますね。クイズでは、傷のあるバナナを見て「これは食べられるかな?」と真剣に考えてくれます。積極的に手を挙げてくれて、正解したら大喜び、間違えたら悔しがる。みんな本当に一生懸命です。
菊池 対面で公演を行っていた頃、出会った子どもたちのなかには、博士のおとぼけに全員が椅子から落ちてずっこけてくれる園があったり、お別れが寂しくて泣いてしまう子もいたりしました。コミュニケーションを取るのがあまり得意でない子が自らキャラクターに寄ってきてくれたときは、それを見た先生が感動のあまり涙を流されていたこともあります。ボビーくんという当時のドールのキャラクターの着ぐるみが一緒に参加していて、公演後に子どもが立ち上がって「ボビーくんのこと忘れへんからなー!!」と叫んでくれたのも、印象に残っています。

――園の先生たちからの反応についても教えてください。
森川 はじめて食育キャラバンを開催される園の中には、どんなプログラムなのだろうと不安に思われる先生もいらっしゃいます。ですが、一度開催すると翌年もまた申し込んでくださる園もあるんです。先生から「園児たちが、いつも以上に集中していて驚きました」という感想をいただくこともあります。楽しみながらも食育をしっかり学べる内容なので、給食や管理栄養士の先生から嬉しいお言葉をいただくこともありますし、なかには系列園に声をかけてくださる先生方もいらっしゃいます。

オンラインになっても変わらず楽しめるよう準備万端!
――コロナの間は2年ほどお休みして、その後はオンラインで開催しているとお聞きしました。オンラインでも大変盛り上がるそうですね。
森川 はい、オンラインでも毎回とても盛り上がります。ただ、画面の大きさや音量、部屋の明るさ、席の並びなど、環境は園ごとに異なります。ですので、当日は担当ディレクターが園に伺って、子どもたちが映像に集中しやすいよう、一緒に調整をしています。公演中は出演者に現場の様子をリアルタイムで伝えながら、やりとりを進めることもあります。「今は少しざわついています」「すごく盛り上がっています」「もう少しゆっくりお願いします」など、画面越しでは感じきれない状況を共有しながら公演を行っています。
菊池 実際にやってみると、リモートならではの良さがあることにも気づきました。対面公演のときは、着ぐるみが来ると子どもたちが興奮してしまって本題に入るまで時間がかかることもありましたが、オンラインだとスッと内容に入れるんです。動画を見ることに慣れている子どもたちだからこそ、オンラインは伝わりやすいのかなと感じる部分もあります。

森川 ただ見るだけのプログラムにならないように、画面越しでも子どもたちとのつながりを大切にしています。また、プログラム終了後にハンカチや絵本をプレゼントしているのですが、そのハンカチは、プログラムの中で博士が手洗いに使うアイテムです。画面で見ていた博士とお揃いのハンカチが手元に届くことは、子どもたちにとって大きな喜びのようです。
楽しい記憶を、これからも子どもたちへ
――「ドール食育キャラバン」を通して、これからどんなことを届けていきたいですか?
菊池 食の大切さを、私たちが「架け橋」になって届けられるのが、この活動を続ける一番の意義だと思っています。子どもに毎日接している先生や保護者の方々が、食事の準備や好き嫌いなど、もどかしいけれど伝わらない思いを抱えていることもあると思うんです。そんなとき、「お姉さんやスウィーティオがこう言っていたからやってみよう」と、公演で覚えた合言葉を使っていただくことで、少しでも負担が軽くなっていったらいいなと思います。子どもたちが健やかに育つためのきっかけになる時間を、心を込めて届けています。

森川 食は生きる根本なので、小さい頃に「食べることは大切だ」と感じる経験は、ずっと心に残るはずです。長く続けているので、今では親子二代で食育キャラバンを経験している方も出てきているんですよ。
菊池 以前、プログラムに出てくるキャラクターが描かれたポップなキャラバンカーを停めていたら、その近くを中学生ぐらいのお兄ちゃんが通ったんですよ。その子がキャラクターを指して、「これ、俺の友達だから」と友達に話しているのを聞いて、嬉しかったですね。やっぱり小さいときに出会えることの意義はとても大きいなと感じました。
森川 プログラムの内容は少しずつ変わっていったりもしていますが、熱量は23年間変わっていません。多くのことを吸収し成長していく時期の子どもたちと出会い、こういった教育の一部に携わらせてもらえるということは、本当にありがたいことだと思っています。わーっと盛り上がる「楽しい思い出となるイベント」というだけでなく、しっかりと「食育」を伝えられるからこそ「役に立てる」「喜んでいただける」。そんなプログラムを、これからも届けていきます。
「ドール食育キャラバン」について詳しくはこちら
今回ご紹介した「ドール食育キャラバン」の実施内容や応募方法などの詳細は、下記ページでご紹介しています。園での開催をご検討の方は、ぜひご覧ください。
※記事公開時点では、関東圏のみで実施しています
※記事の情報は2026年10月9日時点のものです。


