Dole

お肉をやわらかくする⁉ パイナップルのふしぎなチカラをとき明かそう!

ある日、テレビの料理番組で聞いた「パイナップルでお肉がやわらかくなる」という言葉にビックリした小学4年生のヒナタくん。「ほんとにそんなことあるの?」と気になったので、Doleのパイナップルのキャラクター・パイニーといっしょに自由研究をスタート! パイナップルにかくされたふしぎなチカラを、たのしく調べてみよう!

パイナップルがお肉をやわらかくするって、ほんとう?

料理番組を見るヒナタくん

ねえパイニー。 きのう、料理番組を見ていたら「パイナップルを入れるとお肉がやわらかくなる」って言ってたんだけど、ほんとうかな?

ほんとだよ~! パイナップルにはお肉をやわらかくするチカラがあるんだ。

ふーん…。でも、パイナップルってフルーツでしょ? それがお肉をやわらかくするなんて…、ちょっと信じられないな。

じゃあ、いっしょに調べてみようか!

楽しそう! 自由研究のテーマにもぴったりだね!

パイナップルをゼリーにのせたらどうなる?

ヒナタくんは「ゼラチン」って知ってる?

ゼラチン? 知ってるよ。ゼリーを作るときに使うやつだよね。

そう。じつはゼラチンは、コラーゲンっていう動物せいのたんぱく質でできているんだ。

ゼラチンの解説イラスト

そうなの? じゃあ、あのプルプルのゼリーは、たんぱく質のかたまりってこと?

そう! ゼリーとお肉は、たんぱく質でできているという点で共通しているんだよ。

へー。じゃあもしかして、パイナップルをゼリーにのせたら…、ゼリーもやわらかくなっちゃうのかな?

おっ、いい仮説かせつだね。じゃあ、さっそくゼリーを使って実験してみよう!

用意するもの

材料集合

▼材料
・生のパイナップル((あつ)さ15mmの輪切りにして6等分し、皮としんをとったもの)…2切れ(1切れは生のまま、もう1切れは加熱して使う)
缶詰(かんづめ)のパイナップル(生のパイナップルにサイズを合わせてカットしたもの)…1切れ
・ゼラチン(顆粒(かりゅう)タイプ)…5g
・湯(80℃)…50ml
・水…200ml

▼使う道具
・ゼラチンをとかすための耐熱容器
・計量カップ
・スプーンまたはおはし(3本)
・プリンカップのくらい大きさの透明とうめいグラス(3つ)
・ラップ
・時計またはストップウォッチ
・カメラ
・観察ノート、えんぴつ

実験をおこなう前に・・・

実験をおこなうときの注意ポイント!

お湯や電子レンジを使うところがあるから、やけどに注意! むずかしいところは、大人といっしょにやってね。
ゼラチンをとかすときに、お湯の温度が高すぎると、かたまらなくなっちゃうよ。熱すぎ注意!
ゼリーは、40℃くらいになると とけはじめるんだ。暑い季節や場所での実験中は冷ぞう庫でひやしながら実験しよう。
ゼリーのなかみは ほとんど水! そのままにしておくと、かんそうして、表面がカリカリになるよ。実験中はラップをかけて、かわかないようにしよう。

実験の前に準備しよう

1. パイナップルを加熱する

生のパイナップル2切れのうち1切れをラップで包み、電子レンジ(500W)で20秒加熱し、しっかり冷ます。

加熱したパイナップルを熱いままゼリーにのせると、ゼリーがとけてうまく実験ができなくなっちゃうよ。パイナップルは、しっかり冷ましてからのせよう。

2. ゼリーを3つのグラスに用意する

①ゼリーを3つのグラスに用意する。

耐熱容器に80℃のお湯を50ml入れ、ゼラチン5gをとかす。さらに水200mlを注ぎ、よくまぜる。できたゼリー液を、3つのグラスに同じくらいずつ注ぎ入れ、冷ぞう庫に入れて1時間程度ひやし、ゼリーがかたまるのを待つ。

実験のやりかた

①ゼリーにパイナップルをのせ

②ゼリーにパイナップルをのせる。

かたまったゼリーの上に、①生:生のパイナップル ②加熱:電子レンジで加熱したパイナップル ③缶詰:缶詰のパイナップル をそれぞれのせる。

同じ道具で3種類のパイナップルをあつかうと成分がまざってしまうので、結果がきちんと出ないことがあるよ。
それぞれのパイナップルをあつかう道具を決めて実験しよう。
おはし

②ゼリーの様子を観察する

パイナップルで自由研究

パイナップルを乗せた直後、1時間後、2時間後、3時間後にゼリーの様子を観察する。カメラで写真をとっておくと、後から見返したときに変化が分かりやすい。

パイナップルのしずみ具合を見たり、パイナップルをよけてゼリーの表面のとけ具合を観察してみよう!

実験結果から何がわかったかな?

実験スタート直後はこんな感じだったよ。

①生
①生
②加熱
②加熱
③缶詰
③缶詰

1時間後の様子はどうだろう?

①生
②加熱
③缶詰

生のパイナップルをのせたゼリーは少しとけて、パイナップルがしずんできたような気がする。加熱したものと缶詰のパイナップルは、とくに変化はないみたい。

2時間たったね。様子はどう?

①生
①生
②加熱
②加熱
③缶詰
③缶詰

生のパイナップルをのせたのは、さっきよりもゼリーがとけている。加熱したのと缶詰は、ほぼ変化なしだね。

3時間後。さあ、どうなったかな?

①生
①生
②加熱
②加熱
③缶詰
③缶詰

おお! かなりちがいがハッキリしてきたよ。生のパイナップルは、半分くらいゼリーにしずんじゃってる!

パイナップルのチカラって、すごいね!

ゼリーがとけたってことは、パイナップルとお肉を合わせると、お肉もとけるのかな?

ゼリーがとけるということは、お肉にふくまれるたんぱく質がとけるってこと。だから、お肉がやわらかくなるんだ。

なるほどー! でも、どうしてこんなことが起こるんだろう?

実はパイナップルには、たんぱく質を分解する「ブロメライン」っていう物質*がはいっているからなんだ。でもブロメラインは、“熱に弱い”という特せいももっているよ。

*たんぱく質を分解するプロテアーゼという酵素こうその一種

そうか! だから加熱したパイナップルをのせたゼリーは、とけなかったんだね。

そう。パイナップルに熱が加わると、ブロメラインのたんぱく質を分解するはたらきが失われるんだ。

でもさ、缶詰のパイナップルをのせたゼリーもほとんど変化がないのはなぜかな?

いい気づきだね。パイナップルに限らず、缶詰って賞味期限しょうみきげんが長いよね? それは真空状態しんくうじょうたいで高温殺菌さっきんしているから。つまり、製造工程せいぞうこうていで熱が加わっているんだ。だから缶詰のパイナップルも、たんぱく質を分解するはたらきが失われているんだね。

じゃあ加熱したパイナップルや缶詰のパイナップルを下ごしらえに使っても、お肉はやわらかくならないってことだね。

うん。でも、パイナップル入りのゼリーを作るなら…

加熱したパイナップルや缶詰のパイナップルを使ったほうが、ゼリーがかたまるってことだ!

おおーっ! 実験からいろんなことが分かってきたね!

まとめ

今回の実験でわかったことをまとめるよ。

よーし、この実験結果をさっそくまとめて、学校に持っていこ〜っと!

さらに研究を発展(はってん)させて、冷凍(れいとう)のパイナップルをゼリーの上にのせるとどうなるか?(*1)パイナップルは寒天もとかすのか?(*2)、なんかを調べてみても面白いと思うよ!

*1…一度冷凍したパイナップルを解凍かいとうした場合、ブロメラインのはたらきはどうなるかを調べるため
*2…寒天はたんぱく質ではなく、食物繊維しょくもつせんい(炭水化物)でできているため

それいいね! 今度クラスのみんなでやってみるよ!

みんなも、ぜひやってみてね~!

監修:サイエンス倶楽部
1992年に設立された幼児・小学生・中学生対象の理科実験教室。本格的な科学実験による体験型総合教育を首都圏で展開しています。

※記事の情報は2025年6月24日時点のものです。