果物売り場で、甘い香りを放つ「台湾産パイナップル」。酸味が穏やかで甘みが際立つ味わいが特徴で、2月下旬頃から6月中旬頃に旬を迎えます。その甘さはどのように生まれ、日本へ届けられているのでしょうか。仕入れ担当者に、Doleが展開する「ドール台湾パイン」「ドール台湾マンゴーパイン」の美味しさを支えるこだわりと魅力、楽しみ方を聞きました。
お話をしてくれたのはこの方!

丸山 剛平(まるやま こうへい)さん 株式会社ドール 生鮮第二本部 トロピカル商品部 主任
台湾パインを中心に、各種フルーツの仕入れを担当。以前には、品質保証部でフィリピンや台湾から輸入するパイナップルの品質管理をしていた経験も。
目次
台湾産パイナップルはいつ楽しめる? 販売時期と特徴を聞きました
――台湾産パイナップルは、限られた時期に販売されていると伺いましたが、毎年どのくらいの時期に楽しめる果物なのでしょうか?
品種やその年によって少し変わってくるのですが、「ドール台湾パイン」の場合だと、シーズンのはじめは2月中下旬から3月初旬頃、終わりは6月上旬から中旬頃になります。
――なぜその限られた時期だけの販売になるのでしょうか?
台湾産パイナップルは、太陽光をたくさん浴びることでよりいっそう美味しさが引き立つと言われています。そのため、雨が少なく晴れることの多い、冬から春にかけての時期を狙って輸入をしています。
――台湾産パイナップルには、どんな魅力や特徴があると感じていますか?
やはり酸味が少なく甘みが強い、というのが台湾産パイナップルの大きな魅力、特徴だと捉えています。また、繊維質が少ない食感なので、小さなお子様からご高齢の方まで、幅広い年代の方にとって食べやすいと思います。
――Doleが輸入している台湾産パイナップルは、「ドール台湾パイン」と「ドール台湾マンゴーパイン」の2種類がありますよね。それぞれどんな個性を持ったパイナップルなのでしょうか。

どちらも農業試験所で開発された品種で、「ドール台湾パイン」は台農17号、「ドール台湾マンゴーパイン」は台農23号として生まれました。
「ドール台湾パイン」は、酸味が少なく甘さを強く感じられる味わいと、芯まで食べられるところが特徴です。ジューシーな果肉は黄金色で、「金鑚(きんさん)パイン」とも呼ばれています。
一方の「ドール台湾マンゴーパイン」は、「ドール台湾パイン」から少し遅れて4月下旬くらいから店頭に並びます。名前の通りマンゴーのようなトロピカルな香りと強い甘味、黄色い果肉が特徴です。繊維質は少ないものの、フィリピン産の高糖度パイン同様に芯は固めです。
この2種類は見た目にも違いがあり、「ドール台湾パイン」は縦長、「ドール台湾マンゴーパイン」は少し小ぶりでコロンと丸っこい形をしています。
――美味しいパイナップルを追い求めた結果、それぞれに魅力を持った「ドール台湾パイン」と「ドール台湾マンゴーパイン」に辿り着いたのですね。「ドール台湾パイン」は“芯まで食べられる”と聞いて驚かれる方も多いと思いますが、その食感についてどのように説明されているのでしょうか?
フィリピン産のパイナップルの場合は芯が硬いため取り除くことになりますが、「ドール台湾パイン」の芯はサクッとした食感で歯切れがよく、とても食べやすいです。実際に召し上がられたお客様からは、「芯まで甘いね」「芯も食べやすいね」という嬉しい言葉を多くいただいておりまして、中には「芯の部分が一番好き」とおっしゃる方もいます。
台湾産パイナップルすべてが芯まで食べられるわけではなく、「ドール台湾マンゴーパイン」もどちらかというと芯は硬いので取り除く方もいらっしゃるのですが、「ドール台湾パイン」を手に取っていただいた際には、ぜひ芯までお召し上がりいただきたいです。

徹底したこだわり! 仕入れ担当の視点で見る、おいしさを守る工夫
――台湾産パイナップルならではの味わいや食感は、どんな生産環境から生まれているのでしょうか?
台湾産パイナップルの一大産地は、台湾南部の屏東縣(へいとうけん)で、夏は暑く、冬も暖かい温暖な環境です。台湾産パイナップルは雨の影響を受けやすいのですが、ほかの地域に比べ冬場から春にかけて降水量が抑えられる屏東縣は、美味しいパイナップルが育つのに適した場所なんです。夏から秋にかけての台風に見舞われる季節だけでなく、台湾の天気を毎日のように調べて、品質管理に関して現地農場の方たちと緊密な連絡を取っています。また、年に1回程度ではありますが現地に足を運び、産地の状態を見て、収穫して輸入するタイミングをいつぐらいにするかという判断をしています。

――Doleとして、日本に台湾産パイナップルを届けるうえで特に大切にしている工程や、商品の品質を保つために行っていることがあれば教えてください。
収穫の工程からが、特に我々が関与しなければいけないところだと思っておりまして、温度管理をしっかりしよう、という目標を第一に掲げています。たとえば、昼をすぎてから収穫すると果肉の中の温度が高くなってしまい、冷やすときに中まで冷えるのに時間がかかってしまったり、冷蔵設備に運ぶ際に高い温度から低い温度に急降下させてしまったりするので、基本的には午前中に収穫してもらうようにしています。
――台湾産パイナップルは、温度変化に敏感なのですね。
そうなんです。長時間暑いところに置いておくのもよくないですし、急に冷やしてしまうのも品質に影響を与えてしまうので、段階的に温度を下げるようにして、収穫後に設備の中で冷やしていくタイミングの見極め、トラック輸送時や、日本への海上輸送時(最短で3日、長いと5〜6日ほどかかります)の温度管理など、品質維持を第一に心がけています。
そして、パイナップルは、見た目はゴツゴツしていて硬そうなイメージがあるのですが、台湾産パイナップルは果肉が比較的柔らかくデリケートなので、フルーツキャップと呼ばれるネット状の緩衝材をひとつひとつにかぶせて、輸送時に押しつぶされないように守っています。

――徹底した管理をしているからこそ、お客様の元に美味しいパイナップルが届くのですね。
台湾産パイナップルの食べ頃は? 買ったらいつ食べる?
――購入後は、すぐに食べるのがおすすめですか? それとも少し置いてから食べたほうがいいですか?
「ドール台湾パイン」も「ドール台湾マンゴーパイン」も食べ頃のタイミングで収穫してお届けしていますので、購入後はできるだけ早めに召し上がっていただくことを強くおすすめします!
時間が経つと熟して甘くなるバナナやリンゴのような追熟タイプのフルーツと違って、パイナップルは収穫後に追熟しないタイプの果物なんです。先ほどもお話しましたように温度変化を嫌うデリケートな果物で、時間を置けば置くほど味がぼやけてしまったり、新鮮さが失われたりしてしまいますので、購入後はぜひ早めに召し上がっていただければと思います。
――店頭で台湾産パイナップルを選ぶ際に、チェックするとよいポイントはありますか?
まずは葉の部分を見ていただいて、葉が枯れていないものを選んでいただくとよいと思います。あとは皮の部分なんですが、褐色というか、黒っぽくなっているものは少し元気がないと思われますので、避けていただいたほうがよいかもしれません。
ちなみに、台湾産パイナップルの場合、シーズン初めはまだ気温がそこまで高くないので、よく熟して皮の色が黄色くなったものを収穫するのですが、徐々に山地の温度が高くなってくると、表面は緑色でも中身は十分に甘く美味しくなるんです。なので、2~3月頃は皮の黄色みが強いものを選んでいただくと目安になりやすいですし、5~6月頃は青めのものを選んでいただいても美味しいパイナップルに出会えると思います。
ちょっと意外な食べ方も。台湾産パイナップルの楽しみ方
――台湾産パイナップルを初めて食べる方に、まずおすすめしたいのはどんな食べ方ですか?
台湾産パイナップルのフレッシュな美味しさを知っていただきたいので、やっぱりまずは生で食べていただきたいですね。また、味の特徴を感じていただくなら、フィリピン産のパイナップルと食べ比べてみるのもおすすめです。フィリピン産は食べ慣れた美味しさがありますし、味わいの違いを楽しんでいただけると思います。
――芯まで食べられる「ドール台湾パイン」を食べる際に、切り方のコツがあれば教えてください。
切り方は意外と簡単です! 葉の付け根から約2cm、底から約2cmを目安に上下を切り落としたら、縦方向に放射状に8等分に切り分け、皮と果肉の間に包丁を入れて皮をむき、芯の部分も含めて一口大に切るのが基本的な切り方になるかと思います。
ちょっと変化球的な切り方としては、上下を切り落として縦半分にカットしたあと、皮を上にし、断面を下に寝かせるようにして網目に沿って格子状に下まで包丁を入れると、皮の凸部分をつまめるスティック状にカットできるんですよ。小さなお子様でも手軽につまめますし、ホームパーティーにもぴったりな、見栄えも華やかな“映える”デザートになると思います。


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――まずは生のまま食べるのがおすすめとのことでしたが、台湾産パイナップルはアレンジも楽しめるんでしょうか?
実は、味覚分析を手掛ける味香り戦略研究所で、「ドール台湾パイン」と「ドール台湾マンゴーパイン」それぞれにどんな食べ合わせがいいのかを調べていただいたんです。
その結果を受け、トロピカル商品部で実際に試してみてこれは新しい、面白いと思ったのは、「ドール台湾パイン」とロースハムの組み合わせでした。メロンに生ハムと同じく、パイナップルの甘みとロースハムの塩気が絶妙に合うんですよ。ロースハムでしたら多くのご家庭の冷蔵庫にあるかと思いますので、ぜひ一度お試しください。
また、「ドール台湾マンゴーパイン」は、ブラックペッパーが合うとのことでした。もちろん賛否両論ある味わいだとは思っていますが、部内で試した限りだと「これはありだね」という反応が多かったんです。甘くトロピカルな風味の「ドール台湾マンゴーパイン」とピリっとスパイシーなブラックペッパーの組み合わせ、意外にも素敵に調和するので、カットしたフレッシュな味わいを堪能したあとで、こちらもぜひ試していただければと思います。
他にも部内で独自にいろいろと試すうち、「ドール台湾マンゴーパイン」はココナッツっぽさを感じさせる特徴的な香りがあるというところから、「ラム酒と合わせたらいいんじゃないか」という意見が出たこともあります。「ドール台湾マンゴーパイン」の果汁やミキサーで砕いた果肉にラム酒を合わせたら、ピニャ・コラーダのようなカクテルとして、大人な楽しみ方もできそう、なんて想像が膨らんでいます。
――楽しみ方の可能性もどんどん広がりますね。では最後に、これから初めて台湾産パイナップルを手に取る方へ、メッセージをお願いします!
台湾産パイナップルは2021年より輸入量が増えた、日本人にとっては比較的新しいフルーツです。ここ数年は、春の季節になると台湾産パイナップルがスーパーやフルーツショップに並ぶ光景が少しずつ定着してきていて、日本に台湾産パイナップルの美味しさが広まってきていることを実感しています。
パイナップルは、「切り方が難しいんじゃないかな」とか「ゴミが多く出るかな」など手間がかかるイメージがあって、手に取っていただくまでのハードルが高い果物かもしれません。しかし、例えば「ドール台湾パイン」であれば芯まで食べられますし、切り方も案外簡単です。なにより台湾産パイナップルの甘さ、美味しさは格別で、感動を覚える方もいらっしゃると思いますので、見かけたらぜひ一度ご賞味いただけるとうれしいです。

甘さ際立つ台湾産パイナップルを楽しもう
太陽をたっぷり浴びて育った台湾産パイナップル。そのひとつひとつには、産地の気候を見極める目と、丁寧な温度管理、そして日本へ届けるための細やかな工夫が詰まっています。
酸味が穏やかで甘みが際立ち、芯まで食べられる「ドール台湾パイン」。マンゴーのようなトロピカルな香りと濃厚な甘さが広がる「ドール台湾マンゴーパイン」。それぞれに異なる個性があり、気分や好みに合わせて選べるのも魅力です。
そして、この味わいに出会えるのは、例年2月下旬〜6月中旬頃の限られた期間だけ。店頭で見かけたら、この時期だけのお楽しみを味わってみてはいかがでしょうか。

ドール台湾パイン
黄金色の果肉から金鑚パインとも呼ばれる「台湾産パイナップル」の品種で、通常のパインより酸味が少なく、甘さが強く感じられます。芯まで食べられる、甘さ溢れる果肉が特徴です。

ドール台湾マンゴーパイン
マンゴーのような香りと強い甘味のある味わい。果肉は黄色く、繊維質の少ない食感のパイナップルです。フィリピン産の高糖度パイン同様に芯は固めです。
▼Doleの台湾産フルーツの情報はこちら
※記事の情報は2026年3月16日時点のものです。

