朝ごはんの定番であるバナナとヨーグルト。バナナとヨーグルトの組み合わせはおいしいだけでなく、食べ合わせることで体にうれしい働きが期待できます。その理由を解説します。
目次
バナナ×ヨーグルトの魅力

バナナとヨーグルトは定番の組み合わせですが、栄養面でもよい働きがあります。おいしいだけではないバナナとヨーグルトの魅力を解説します。
発酵食品ヨーグルトの魅力と乳酸菌
朝食や間食の定番であるヨーグルトは日ごろから食べる機会も多いのではないでしょうか。ヨーグルトは牛乳を乳酸菌や酵母の働きによって発酵させたもので、成分規格上では発酵乳の一種です。
牛乳を原料としているので、牛乳に含まれるたんぱく質やカルシウム、ビタミンAなどが入っていますが、発酵によって分解されているため消化吸収がよくなります。
バナナ×ヨーグルトの組み合わせのメリット
発酵食品であるヨーグルトは腸内に善玉菌を直接取り入れることができ、バナナに含まれる食物繊維は善玉菌のエサになります。バナナとヨーグルトを合わせることで相乗効果が期待できるので、おいしいだけでなく体にもうれしい組み合わせです。
また、ヨーグルトにはたんぱく質やカルシウムなどが含まれていますが、食物繊維などが含まれていません。そこでバナナを合わせることで、ヨーグルトだけでは不足しがちな栄養素を補うことができます。
バナナ×ヨーグルトのおすすめの時間帯と食べ方

バナナとヨーグルトはそれぞれに栄養がありますが、合わせて食べることでよりうれしい効果が期待できます。朝、日中、夜、どのタイミングで取り入れるのがよいのでしょうか?
・朝
朝、忙しくて朝食を抜きがちの方は朝ごはんに取り入れるのがおすすめ。加熱の必要がないバナナとヨーグルトは忙しい朝でも取り入れやすいですよね。バナナでエネルギー補給ができ、ヨーグルトでたんぱく質を摂取することでセカンドミール効果(次の食事後の血糖値に及ぼす影響)も期待できます。
・おやつ
小腹が空いた時にバナナヨーグルトはいかかでしょうか。砂糖や脂質が多いケーキや焼き菓子と比較するとバナナヨーグルトは低脂質でタンパク質が補えるので、ヘルシーに楽しめます。
・夜
トリプトファンとカルシウムを含むヨーグルトはリラックスタイムにおすすめ。バナナにはトリプトファンと、トリプトファンをセロトニンへ変換するために必要なビタミンB6も含まれています。
バナナ×ヨーグルトの食べ方アレンジ
・そのまま食べる
バナナ1本にヨーグルト200gが基本の分量です。バナナには自然な甘味があるので、無糖のヨーグルトを使ってください。
・スムージーにする
ミキサーにかけてなめらかにしたスムージーは食欲がないとき、朝など時間がないときにおすすめです。
・ホットヨーグルト
電子レンジで温めたホットヨーグルトは夜や朝など体が冷えやすいときにおすすめです。温かいものは胃ちょうの働きを活発にします。ただし、60℃を超えると乳酸菌やビフィズスが死滅するので、グツグツ煮込むのはなるべく避けてください。なお、死んだ菌も善玉菌のエサになるので安心してくださいね。
・フローズンヨーグルト
暑い時期におすすめしたいフローズンヨーグルト。バナナは潰してからヨーグルトを混ぜて凍らせるとアイスのように楽しめます。バナナは冷やすとより甘味が増すので冷凍に向いている食材です。
バナナ×ヨーグルトにちょいプラスで相乗効果
・はちみつ
甘味をプラスしたい方におすすめのはちみつ。オリゴ糖を含むはちみつは、善玉菌のエサとして利用されます。発酵食品であるヨーグルトは善玉菌である「プロバイオティクス」を直接摂取できるので、よい組み合わせです。[1]
・きな粉
香ばしいきな粉はプラスすると和風スイーツのように楽しめます。ほんのりした甘味があるのも特徴です。大豆からできているきな粉はたんぱく質や鉄を含みます。
・オートミールやグラノーラ
オートミールはオーツ麦を加工したもので、グラノーラはオートミールにナッツやドライフルーツを合わせてシロップや油と混ぜて焼いたものです。食物繊維が豊富なオートミールは満足感を感じやすいので、朝ごはんにおすすめです。
・ナッツ類
香ばしい風味や食感のアクセントを加えたいときはナッツ類をプラスしてみてはいかがでしょうか。砕いて加えくださいね。
バナナ×ヨーグルトに発酵食品であるナタデココをプラスで、おいしさアップ
ナタデココはココナッツ水にナタ菌を加えて発酵させて固めたものです。コリコリした食感とさわやかな甘みのナタデココはバナナヨーグルトにもぴったりです。ナタデココは爽やかな甘味がありますが、カロリーは低いのでダイエット中に甘いものが食べたいときにも活用してみてください。
バナナ×ヨーグルトのおすすめレシピ

・バナナ小豆ヨーグルト
冷凍して甘味が増したバナナにヨーグルトとゆで小豆を組み合わせた簡単パフェ風のデザートです。簡単にできるので、食後のデザートにいかがでしょうか。
・バナナヨーグルトケーキ
バナナが入ることで砂糖を控えめにしても満足感のあるパウンドケーキです。ヨーグルトを使うことでモチモチした食感が楽しめます。
まとめ

定番のバナナヨーグルトも温めたり、きな粉をかけたりアレンジすると楽しみ方が広がります。発酵食品であるヨーグルトとオリゴ糖を含むバナナはおいしさだけでなく、体にとってもよい組み合わせです。朝食を抜きがちな方は朝、リラックスタイムに役立てたいときは夜など、ライフスタイルに合わせて取り入れてください。
参考文献
[1] 清水 純.腸内細菌と健康. e-ヘルスネット.厚生労働省.2019.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html

中村りえ(なかむらりえ) /管理栄養士
食品メーカーで商品開発、健保組合でセミナーの企画や広報に携わり、独立。レシピ開発、コラム執筆、メディア出演など幅広く活動中。日本人の米離れの深刻さを学んだこともあり、米食の素晴らしさを伝えるべく米粉や米食レシピを発信する。著書「米粉のおやつとおかず」(宝島社)