バナナとクリームをパンにはさむ「バナナサンド」。シンプルだからこそ、パンの厚さ、バナナの選び方や並べ方、クリームの甘さ、そして最後の切り方まで一つひとつにこだわると、驚くほどおいしく仕上がります。サンドイッチを知り尽くす料理家・ナガタユイさんに、その基本のメソッドと応用レシピを教わりました。
この方に教えていただきました!
ナガタユイさん
フードコーディネーター。食品メーカー、食材専門店でのメニューおよび商品開発職を経て独立。サンドイッチやパンのある食卓を中心に、メニュー開発コンサルティング、書籍や広告のフードコーディネートなど、幅広く食の提案に携わる。著書に『サンドイッチの発想と組み立て』『卵とパンの組み立て方』(ともに誠文堂新光社)などがある。
目次
バナナサンドは初めてのフルーツサンド作りにぴったり
「フルーツサンド」と聞いて思い浮かべるフルーツは何ですか? 企業などでもサンドイッチのレシピ開発を数多く手がけてきたナガタユイさんが「まず作ってみてほしい」とすすめるのは、バナナのサンドイッチです。
「バナナは食べ応えがあって、好きな人も多いと思います。それに一年中手に入りやすい。フルーツサンドを作ってみたいと思っても、高価なフルーツだとちょっとハードルが高いと思います。まずは身近なバナナで、安定して作れるようになるといいですね」
さらにバナナは、バナナだけで作るシンプルなサンドにも、複数のフルーツを組み合わせたミックスサンドにも使いやすいそう。
「バナナだけでも主役になれるし、ほかのフルーツと合わせてもバナナが入ることでボリューム感が出ます。味わい的にも合わないフルーツがあまりないんです」
バナナサンドをおいしく組み立てるメソッド
「バナナサンド」をおいしく作るには、ただバナナをパンにはさめばいい、というわけではありません。ナガタさんが大切にしているのは、「サンドイッチとしてのバランス」です。
「フルーツがたくさん入っているほうが、見た目は華やかですよね。でも、おいしさを考えると、フルーツが多ければ多いほどいいとは限りません。私は、パンもクリームもフルーツも調和してこそおいしいサンドイッチになると考えています」
パン、バナナ、クリーム。それぞれをどう選び、どう組み合わせるか。ナガタさんにそのポイントを一つずつ教えていただきました。
メソッド①| パンの扱い方
おすすめは8枚切りの角食パン
バナナサンドを家庭で作る場合、ナガタさんがおすすめするのは8枚切りの角食パンです。

10枚切りや12枚切りのサンドイッチ用の食パンは、上品なティーサンドイッチには向いています。でも、まるごとのバナナをはさむとやわらかいパンはつぶれやすい。かといって6枚切りだとバナナサンドには少しパンの存在感が強い。8枚切りが薄すぎず厚すぎず、ちょうどいいのです。
スイーツとして楽しむならトーストなしで
生のフルーツをスイーツのように楽しむなら、パンはトーストせず、しっとり、ふわふわのままで。一方、おかず系のサンドイッチにするなら、香ばしくトーストするのもおすすめです。
より手軽なポケットサンド
忙しい朝時間などには手軽にできるポケットサンドを。トーストした角食パンを半分に切り、断面からナイフを入れてポケットを作り、具を詰めるだけで完成します。

ポケットを作る場合は、4枚切りがベスト。中に具材をたっぷり詰められ、トーストすると表面はカリッと仕上がり、中はしっとりしているので扱いやすいです。
メソッド②|クリームの考え方
基本のクリームは「生クリーム+マスカルポーネ」
フルーツサンドに欠かせないクリーム。通常は生クリームだけを使うことも多いですが、ナガタさんは、生クリームにマスカルポーネを加えます。

生クリームはおいしいけれど、時間が経つと形を保ちにくくなるのが難点です。マスカルポーネを合わせることで適度なかたさが加わり、パンに塗ったりサンドしたりしやすいクリームになります。また、マスカルポーネにはフレッシュチーズならではのコクや酸味があるのでパンに合うんです。フルーツサンドにしたときに、パンもフルーツも引き立ててくれます。
クリームの甘さは控えめに
生クリームに加えるグラニュー糖は、生クリームの重量に対して約8%。ショートケーキなどに使うクリームよりも少なめです。
クリームだけを食べると、“ちょっと甘さが足りないかな”と思うくらい。でも、バナナ自体が甘いので、一緒に食べるとちょうどいい。食べ飽きない味になります。
マスカルポーネは最後に合わせる
生クリームはグラニュー糖を加えて8分立てにし、マスカルポーネにはちみつを混ぜる。それぞれを別々に作ってから、最後に合わせます。
最初から全部一緒に泡立てれば早く作れますが、そうすると時間が経ってからクリームがだれてしまいます。先に生クリームだけを泡立ててから合わせると、安定感が全然違うんです。
生クリームは十分に冷やしたものを使い、作業中も温度を上げないようにボウルを氷水に当てて泡立てましょう。出来上がったクリームをボウルごと氷水に当てておくのもポイントです。
クリームを均一に広げない
角食パンの真ん中にクリームをのせ、ヘラを使ってパンの中央部が少しこんもりするように広げていきます。

さらに、その上にバナナを置き、同じようにクリームを塗ったパンを重ねたら、手のひらでふんわり押さえてなじませます。

クリームの量は、パンとフルーツの隙間が埋まるギリギリくらいで十分。多すぎると切ったときにクリームがはみ出やすくなります。
クリームにココナッツファインやすりごまを加えて
バナナの他に水分の多いフルーツをはさむときは、クリームにココナッツファインやすりごまなど粉末素材を加えるのもおすすめです。

粉末状の素材を混ぜると、余分な水分を吸ってくれるので、クリームがゆるみにくく安定します。
クリームの代わりにピーナッツバターやジャムを
もっと手軽に作りたいときは、泡立てる必要のないピーナッツバターやジャムを使っても。

ピーナッツバターとバナナは鉄板の組み合わせ。ジャムなら、私はブルーベリーを合わせるのが好きですね。
メソッド③|バナナの選び方
まるごと使うなら、小ぶりのもの
バナナサンドに使うバナナは、大きさも大切です。まるごと一本をきれいに見せたいなら、角食パンに収まりやすい小ぶりのものを選びましょう。大きなバナナの場合は、パンの大きさに合わせてカットします。

熟れすぎはNG
バナナの熟れ具合は、皮が黄色くなったばかりくらいのものがおすすめ。
バナナは熟れすぎるとやわらかくなり扱いにくくなります。きれいにサンドするなら、皮が黄色くなったばかりの、少し硬さが残っているバナナのほうが扱いやすいです。味のバランス的にも、甘みだけでなくほのかな酸味も感じられる状態のほうが、パンやクリームと調和します。
メソッド④|バナナの切り方・並べ方
「バナナらしさ」ならまるごと、「バランス重視」なら縦半分
まるごとのバナナを使う魅力は、何といってもその存在感のある見た目。一方、縦半分に切れば、クリームやほかの具材とのバランスをとりやすくなります。


バナナそのものを味わいたい場合は、バナナをまるごと使って。サンドイッチとしての味のバランスを考えたい場合は、バナナを縦半分に切って使うと一口ごとのバランスがよく、最後まで飽きずに食べられます。
メソッド⑤|サンドイッチの切り方
よく研いだ包丁で
サンドイッチの美しい断面を作るには、最後のカットも重要です。ナガタさんがおすすめするのは、パンナイフではなく、よく研いだ牛刀や三徳包丁。できれば、刃渡りが長めのものを選びましょう。

波刃のパンナイフは、バゲットなどの硬いパンを切るには便利ですが、やわらかい食パンは、刃を何度も往復させて切ることで断面が荒れやすくなります。 牛刀や三徳包丁などまっすぐな刃の包丁なら、断面をシャープに仕上げることができます。
押しつけずにやさしく切る
まず、サンドイッチの奥側の角に刃先で小さな切り込みを入れます。刃先を支点にして包丁を少し斜めに保ち、手前へ引きながら、包丁の重みを利用して自然に下ろしていきます。


最後につい“ギュッ”と押してしまいがちですが、そうすると下のパンがつぶれます。最後まで刃の重みを使って慌てずゆっくりと切るのがポイントです。また包丁についたクリームは切るたびに拭ってください。
基本のメソッドを押さえたら、早速バナナサンドイッチを作ってみましょう。
基本のまるごとバナナサンド

バナナを大胆に使った、基本のバナナサンド。断面を見れば、主役は一目瞭然です。バナナそのものの香りやおいしさを存分に楽しみましょう。
材料(1組分)
角食パン(8枚切り)…2枚
バナナ…小3本(1本70g程度)
基本のクリーム…50g
┗【作り方(作りやすい分量)】
分量生クリーム(40%)100mlにグラニュー糖8gを加えて8分立てにする。マスカルポーネ100gにはちみつ8gをよく混ぜ合わせてから、生クリームと合わせる。
作り方
- 角食パンの片面に基本のクリームを半量ずつ、中央部がこんもりするように塗り広げる。
- 片方のパンにバナナをまるごとのせ、もう片方のパンを重ねて、上から手でやさしく押さえなじませる。耳を切り落とし、3等分に切る。

トロピカルミックスフルーツサンド

バナナにパイナップルとマンゴーを組み合わせた、華やかなフルーツサンド。マスカルポーネに加えたココナッツファインがフルーツの水分を吸うだけでなく、トロピカルな風味をプラスします。
材料(1組分)
角食パン(8枚切り)…2枚
バナナ…小1/2本(1本70g程度)
パイナップル(カット)…30g
フルーツカップ 至福のマンゴー…(水分を切って)30g
ココナッツマスカルポーネクリーム…50g
┗【作り方(作りやすい分量)】
マスカルポーネ100gに、ココナッツファイン12gとはちみつ8gを加え、よく混ぜ合わせる。ココナッツファイン…小さじ1
ミント…少々
作り方
- 角食パンの片面にココナッツマスカルポーネクリームの半量を塗り、縦半分に切ったバナナ、ひと口大にカットしたパイナップル、マンゴーをのせる。
- フルーツの上に、フライパンで軽く炒ったココナッツファインをふりかけ、せん切りにしたミントをのせる。

- もう1枚のパンに残りのココナッツマスカルポーネクリームを塗り、2と合わせる。
- 上から手でやさしく押さえてなじませ、耳を切り落とし、3等分に切る。
ベーコン&バナナポケットサンド

朝食や軽食にぴったりのおかず系バナナサンド。パンに入れた切り込みに、甘くまろやかなバナナとピーナッツバター、塩気のあるベーコン、ほろ苦いクレソンを挟んで。黒こしょうとフライドオニオンの風味が食欲をそそります。
材料(1組分)
角食パン(4枚切り)…1枚
バナナ…小1本(1本70g程度)
ピーナッツバター(チャンク)…30g
ベーコン…2枚
クレソン…3g
はちみつ…少々
フライドオニオン…3g
黒こしょう(粗びき)…少々
作り方
- バナナは斜め切りにする。ベーコンは半分に切り、フライパンで焼いて黒こしょうをかける。
- 角食パンをトーストし、縦半分に切る。カットした断面からナイフを入れ、ポケット状にする。

- それぞれのポケットにピーナッツバターを入れ、軽く塗り広げる。バナナを半量ずつ入れ、はちみつを少量かける。
- バナナの手前にベーコンを入れ、クレソンを加える。仕上げにフライドオニオンをトッピングする。

今回使用したDole商品はこちら!

極撰バナナ
Doleが研究・開発した100種類以上の中から選び抜いた、もっちり濃い甘さの高地栽培バナナ。

スウィーティオパイナップル
酸味を抑えた、豊潤な甘さと香りが特徴。日本人の味覚に合わせて開発されたスウィーティオは、おいしさの追求から生まれた、格別のパイナップルです。

フルーツカップ 至福のマンゴー
手軽に毎日フルーツを食べられるドールのフルーツカップ。やわらかマンゴー果肉とピューレ入り100%果汁のハーモニー。液部は、シロップ・砂糖不使用で、果物だけのおいしさを楽しめます。
「Doleのバナナは品質が安定していますよね。サンドイッチを作るときは、大きさや熟れ具合が仕上がりにも関わるので、安定していることは大切だと思います」とナガタさん。身近なDoleのフルーツで、ぜひおうちでもバナナサンド作りを楽しんでみてください!
※記事の情報は2026年9月11日時点のものです。
▼フルーツを使ったレシピを公開中!

