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節約のプロが伝授!「バナナの皮の活用法」―靴磨きからお肉をやわらかくする裏技まで

食べ終わったあとのバナナの皮、捨ててしまっていませんか? 実は、靴磨きやお肉の下ごしらえなど、意外な場面で大活躍するんです! 身近にできる工夫で、暮らしがちょっと楽しくなるとっておきのアイデアを、節約アドバイザー・和田由貴さんに教えていただきました。

教えてくれたのはこの方

節約アドバイザーの和田由貴さん

和田 由貴(わだ ゆうき)さん

節約アドバイザーとして、消費生活や家電製品、食生活など暮らしや家事の専門家として幅広く活動中。また、環境カウンセラーや省エネ・脱炭素エキスパートという顔も持ち、環境問題にも精通する。2007年に環境省の「容器包装廃棄物排出抑制推進員(3R推進マイスター)」に選出。活動のモットーは「節約は、無理をしないで楽しく!」で、耐える節約ではなく快適と節約を両立したスマートで賢い節約生活を提唱している。

侮れない! バナナの皮の底力

バナナの皮

バナナは栄養が豊富なフルーツとして知られていますが、その約40%を占める皮の部分は、普段は食べることもなく捨てられてしまいます。私自身も、子どもが小さい頃は毎朝のようにバナナを食べさせていましたが、ゴミとして出る皮の量が思った以上に多く、驚いていました。そんなとき、「もったいないな」と率直に感じたのです。

エコや節約の観点から考えると、不要になったものや一見ただのゴミに見えるものを「ひと働き」させてから捨てる、という発想はとても大切です。お茶の出がらしやみかんの皮、穴のあいたストッキングなど、家庭の中にはまだ活用できる素材がたくさんあります。

そのなかでも、廃棄率が高くて量も出やすいバナナの皮は、実はとてもポテンシャルの高い存在。資源としての可能性もあり、自治体によってはバナナの皮を含む生ゴミを回収してバイオ燃料に活用する取り組みも進んでいます。そう考えると、バナナの皮にはまだまだ活躍の可能性があるのです。

バナナの皮の活用法①:革製品をツヤツヤに!

バナナの皮の活用法①:革製品をツヤツヤに!

バナナの皮の活用法としてまず代表的なのが「革製品を磨く」活用法です。私自身も靴を磨くときに使ったことがありますが、本当に驚くほどピカピカになります。サッカーをしていた人にも馴染み深い方法のようで、サッカーボールをバナナの皮で磨いていた経験を持つ方も少なくありません。

バナナの皮の内側の白い面で革の表面を直接こすり、そのあと乾いた布で拭き取るだけでツヤが出ます。これはバナナの皮に含まれるタンニンの作用によるもので、匂いもほとんど残りません。ただし、高級な革バッグなどに使う場合はシミのリスクもあるので、目立たない場所で試すことをおすすめします。革のスニーカーなどであれば気軽に実践できるでしょう。

バナナの皮の活用法②:シルバー製品をピカピカに!

バナナの皮の活用法②:シルバー製品をピカピカに!

次にご紹介するバナナの活用法は「銀製品を磨く」です。こちらも皮に含まれるタンニンの洗浄・抗酸化作用で、銀製品に付着した汚れを落とし、黒ずみを防ぐことができます。

指輪などのアクセサリーは、バナナの皮の内側をスプーンでこそげ取り、ペースト状にして布につけて磨くと、細かい部分のお手入れにも便利です。仕上げに水洗いや乾いた布で拭き取れば、成分が残る心配もありません。

バナナの皮の内側をこそいで

バナナの皮の活用法③:お肉をしっとりやわらかく!

バナナの皮の活用法③:お肉をしっとりやわらかく!

バナナの皮は料理にも活用できます。特に「お肉をやわらかくする」効果があります。パイナップルにお肉をやわらかくする酵素が含まれるように、バナナの皮にもたんぱく質分解酵素が含まれるからです。

とりわけ鶏胸肉や豚ロース肉など、パサつきやすいお肉と相性よし。加熱前にバナナの皮でお肉を包み、しばらく置いておくことで、“お肉のパック”のような使い方ができます。バナナの皮で包んでおくだけで、お肉がぐっとやわらかく、しっとりとした食感になります。

バナナの皮の活用法④:観葉植物のお手入れに!

バナナの皮の活用法④:観葉植物のお手入れに!

バナナの皮は観葉植物のお手入れにも役立ちます。なかでもオーガスタやモンステラのような葉が大きな植物は、部屋に置いておくとどうしてもホコリがたまりやすいものです。から拭きだけではツヤが出にくいですが、バナナの皮で拭くと自然な光沢が戻ります。

化学薬品を使わないため、小さなお子さんやペットがいるご家庭でも安心。バナナ自体が植物なので、観葉植物にとっても違和感なくなじむのです。

バナナの皮の活用法⑤: 乾燥させて肥料に!

バナナの皮の活用法⑤: 乾燥させて肥料に!

最後に「堆肥として活用する」方法です。バナナの皮にはカリウムやリンなど、化成肥料に含まれる栄養素が豊富に含まれています。

バナナの皮を土に埋めれば自然に分解されますが、そのままだと虫が寄りやすいので、3日ほど天日干しにしてカラカラになるまで乾燥させてから、細かく砕くのがおすすめです。ミキサーにかけても良いですし、包丁やハサミで細かく刻んでも構いません。

バナナの皮を水に漬けて発酵させ、液肥を作る方法などもありますが、手軽に始めたい方には「乾燥して砕く」やり方が一番取り入れやすいと思います。観葉植物や家庭菜園の肥料として、気軽に活用できるのも魅力です。

捨てる前に、「ひと働き」の視点を

日々の生活のなかで、ゴミとして捨ててしまうものは数多くあります。もちろん、捨てること自体は仕方のないことですが、その前に「ひと働き」させる視点を持つことで、暮らしはもっと豊かになります。

バナナの皮もその一例です。毎日食べる習慣があるご家庭なら、相当な量がごみとして出ているはずです。そんなときこそ、「靴を磨いてみようかな」「植物の葉を拭いてみようかな」と、ぜひ試してみてください。ちょっとした工夫で暮らしが楽しく、環境にも家計にも優しいものになると思います。


Doleもすすめています! “もったいない”チャレンジ

家庭でのちょっとした工夫と同じように、Doleのフードロス削減活動も「捨てる前にひと働き」という発想から生まれています。私たちの小さな選択が、“持続可能な未来”に近づく一歩になるのです。

フルーツの可能性を広げる「もったいないフルーツ」
味も栄養も変わらないのに、見た目に少し傷があったり、サイズが規格外という理由だけで、これまで捨てられてきたフルーツたち。Doleはそれを「もったいないフルーツ」と名付けて救出し、価値あるものに生まれ変わらせる取り組みをすすめています。

廃棄バナナを“資源”に変える「バナナ炭」
流通過程で“規格外”とされたバナナを無駄にせず、炭に加工して「バナナ炭」として活用する取り組みもすすんでいます。バーベキュー用途や土壌改良材、消臭材など、暮らしや環境に役立つ新しい資源へと姿を変えることで、廃棄物を減らすだけでなく、新しい価値を生み出しています。


※バナナの皮は剥いて時間が経つと乾燥や酸化が進みやすいため、衛生面と使い心地のために、剥いた直後の皮を使うことをおすすめします。
※記事の情報は2025年12月2日時点のものです。